A氏は日本駐在時、日本や国外のVIPらとも密につきあい、園遊会、桜を見る会に参加していた。
秋篠宮家は現在もA氏と親交を持ち続け、ネイティブチェッカーとして彼に協力費を支払っている。またすでに述べた通り、小室さん夫婦とも交流を続けているのである。
秋篠宮家は次代の天皇でいらっしゃる悠仁さまのご家族であり、そのご一家の内部情報に接する立場にあるA氏。問題は、A氏を介してスパイ疑惑のある人物に皇族のスケジュールや体調、内部事情についての情報が漏れてもおかしくない状況にあることだ。日本の皇室が知らず知らずの間にスパイ活動や、引いてはテロの脅威にもさらされていたことになる。
日本にはスパイ行為を取り締まるスパイ防止法が存在しない。そうした脅威に対抗するため、日本政府が指定した国家機密を取り扱う人物の管理を強化する「セキュリティ・クリアランス制度」が今年成立したばかりだ。ところが、現時点で宮内庁の情報はほぼ機密扱いになっておらず、宮内庁関係者の中では情報漏洩を懸念する声が大きい。そうした疑念に、当事者たちはどう答えるのか。
A氏に取材を申し込むと、Bさんと不倫関係にあったことは認めた上で、「私は宮内庁の機密情報にアクセスする立場にはない。Bさんには宮内庁の仕事をしていることは知らせていたが、彼女は私の情報には興味を示していなかった」と回答。さらに「機微な情報に触れたと思った場合には特に気をつけて扱ってきたはずだ」と主張した。
Bさんにもメールで質問を送ると、「A氏とは不倫していない。中国政府とはいかなる意味においても、関係はない」と回答があった。しかし、彼女が中国の政府関係者とともにイベントを取り仕切ったり、式典に参加したことは前述したとおりで、この回答は、事実と矛盾する。宮内庁に、A氏と皇室のかかわりや、諜報活動から皇族方を守る対策などについて質問すると、次のように回答した。
「宮内庁が外国語で作成した文書の校正(いわゆるネイティブチェック等)について、外部の専門家等に依頼して行うことはあるところ、相手方の職位等を踏まえ、実作業に応じた金額を謝金として支払います。相手方の氏名等は個人に関する情報であり、これについてお答えすることは差し控えさせていただきます。また、特定の個人に対して依頼を行っていることを前提とする質問についてもお答えを差し控えさせていただきます」
残念ながら、A氏についてだけでなく、諜報活動への対策についての言及もなかった。インテリジェンスの重要性が増し、情報収集の方法も複雑化する昨今。皇室も一歩間違えれば、スパイの危機にさらされかねないことをいま一度認識する必要があるだろう。
(了。前編から読む)
※女性セブン2024年9月5日号