動物を取り上げる番組で人気を博しているのが、『嗚呼!!みんなの動物園』(日本テレビ系)だ。保護猫をテーマにした企画を放送し、話題を集めている。その人気の秘密、そして、保護猫というつらい境遇にある動物を取り上げながら、“感動ポルノ”と批判されない理由とは? コラムニストでテレビ解説者の木村隆志さんが解説する。
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24日夜、『嗚呼!!みんなの動物園』(日本テレビ系)の2時間SPが放送されます。その内容は「預かり生活276日さよなら佐吉…涙の最終回」。これはサンシャイン池崎さんが保護猫預かりのボランティアを行う企画で、「元野良猫で超ビビりの保護猫・佐吉が約9か月の日々を経て譲渡会にデビューする」というシリーズ最終回を迎えます。
「涙の最終回」と掲げられているように感動の結末が確定的であり、視聴者はそれをわかっていて良い意味での予定調和を楽しむ企画ですが、特筆すべきは同番組がほぼ「保護猫」の番組になっていること。
サンシャイン池崎さんのシリーズが6作目であるほか、ヨネダ2000の愛ちゃん、りんごちゃん、アンゴラ村長、ティモンディ・前田裕太さんら芸人の保護猫ボランティアが常にメイン企画として放送されています。それ以外では、時折サブで保護犬の預かりボランティアやトリミング企画が放送されることも含め、事実上の保護猫・保護犬番組と言っていいでしょう。
さらに同番組は31日から放送される『24時間テレビ47』とのコラボを発表済み。MC・相葉雅紀さんとBTS・JINさんの保護犬トリミング企画が予定されているほか、すでにチャリティーランナーを務めるやす子さんも『みんなの動物園』に出演しました。
『みんなの動物園』と『24時間テレビ』は「難しい境遇にいる人や猫・犬を救い、感動の涙を誘う」という主な構成・演出が共通しているためコラボの相性がいいのでしょう。ただ、『24時間テレビ』は2010年代後半から「勝手に『かわいそう』などのレッテルを貼って感動を誘うコンテンツとして消費する“感動ポルノ”」などと批判されることが定番化していました。一方で『みんなの動物園』はそう言われることがほとんどありません。
保護猫・犬の企画ばかりの『みんなの動物園』が“感動ポルノ”と批判されない理由は何なのでしょうか。