仲野太賀(31才)がホストクラブに体験入店したと思えば、小池栄子(43才)はシャンパンタワーを振る舞う──宮藤官九郎が手掛けた新宿・歌舞伎町の病院を舞台にしたドラマ『新宿野戦病院』(フジテレビ系)が話題だ。
同作でも取り上げられたように、ホストクラブが林立する歌舞伎町。外国人観光客の増加もあって連日賑わうこの町は、ランドマーク化が進むに比例して“健全化”が進みつつある。とりわけ昨年、世間を騒がせたホストクラブの「売り掛け(ツケ払い)」商法は、国会でも審議されるほどの社会問題に発展したのち、自主規制により今年4月からの全面廃止が決まった。
また、警察庁の指示により全国の警察が729店舗に立ち入り検査を敢行、風営法に基づく営業停止命令など203件の行政処分を行ったことを発表した。今年7月には、ホストクラブの店名やその店に在籍する人気ホストたちの大きな写真を載せ、大音量の音楽をかけながら街を爆走する「アドトラック」が規制されるなど、ホストクラブや歌舞伎町をとりまく環境は大きく改善しているように見える。
しかし、“中”から見える景色は全く違うようだ。10年以上歌舞伎町を拠点として活動し、「ホス狂いYouTuber」として人気となり、今も動画配信を続ける
「ホストクラブ問題の諸悪の根源が“売り掛け”にあったことは間違いありません。自分の与信の範疇を超えても、どんどん借金ができる“カケ”システムがある限り、身を滅ぼす女の子は後を絶たない。だから廃止になったわけですが、それは表向き。ホストが女のコに持ち合わせている以上のお金を使わせようとする風潮は、形を変えて残っているのが現状なんです。例えば、カケが廃止された直後に横行したのは、“立て替え”と呼ばれる方法でした」(あおいさん。以下同)
立て替えとは、その名の通りホストが客の飲み代を一時的に肩代わりする方法だ。
「これは店と客という関係で成り立っている“契約”ではなく、あくまでホストと女のコとの個人間のやりとりになるため、店からの監視の目が行き届かなくなり、かえって取り立てがきつくなったり、金額に制限がつかなくなるパターンも少なくありません」