〈知事のおねだり体質は有名です〉──今年3月、内部告発によって顕在化した、兵庫県・斎藤元彦知事をめぐる複数の疑惑。知事から職員へ対するパワハラ疑惑のほか、視察した企業や地方自治体から贈答品を求める“おねだり”行為なども問題視されている。
告発者である同県西播磨県民元局長は、4月に県の公益通報窓口に通報をしていた。それに対して知事は「(公益通報の)調査結果を待たずに処分できないか」と人事当局に打診していたことがわかっている。その結果、告発者の男性は5月7日に停職3ヶ月の処分を受け、7月7日に「死をもって抗議する」などとメッセージを残して亡くなった。全国紙記者が解説する。
「7月12日、元局長の遺族はこの件を調査する県の『百条委員会』に疑惑の根拠となる音声データなどを提供。4日後にはその一部が公開されています。元局長が準備していた録音データのなかには、2022年11月に知事が同県上郡町の会合に出席し、特産のワインが話題にあがった際に町長に対して『まだ私は飲んでいないので(中略)折を見てお願いします』と“おねだり”とも受け取れる発言をした内容が残されていました。
これを受けて知事は7月19日の会見で、音声が自分のものであることを認め、この発言を『一般的な社交儀礼の会話だ』とした上で、贈答の打診は否定しています。一方で『(ワインは)自宅で飲んだ』とワインを受け取ったことについては認めている」
7月19日、上郡町の梅田修作町長は会見を開き「おねだりとは感じなかった」としつつも、「知事が公の会議の場で発言したことは非常に重いと思う。多少は影響され、ワインを用意した」と指摘していた。
知事の“おねだり”「40万円の革ジャンもねだった」「職員はアメ玉ひとつ貰えない」
県の「百条委員会」は7月31日から、内部告発を受けて県職員にむけたアンケート調査を実施し、その中間報告においては回答者の約4割が知事のパワハラなどを認知していることがわかっている。その中には新たな“おねだり”エピソードも数多く含まれていた。