ダンスができることは「当り前じゃない」
「僕は40代中盤頃から、なんか息苦しさを感じてたんですよ。トレーニングで身体を鍛えているのに、どうにも続かない。『俺はこんなに弱くなったのか』とショックでした。でも、何かがおかしいと思って5年ほど前にきちんと調べたら、タバコなどの煙が原因で患う『慢性閉塞性肺疾患』になってることがわかった。理由が分かってからは、常に身体を気遣うようになりました。主治医からは“武道館でライブできるなんて奇跡”と言われました(笑)。
10代の頃からやっていたダンスですが、それをやることも『当り前じゃない』と思うとありがたみも増してきました。最近になって人生というのは、なにかハンデがあった方が何もないよりありがたいのかな、とも感じています」(SAM)
還暦を迎えて挑む新ユニット「B.O.C」のデビュー曲『NARIYAMA NIGHT』。そのタイトルはアーティストとして、1人の人間として「生涯現役」を志す2人の想いを体現するものでもある。
「これが僕らの生き様、やっぱり音は鳴り止まない。気持ちもスキルも鳴り止まないんですね」(DJ KOO)
昔のように朝までクラブで踊ってオールする――そんな姿は見られないかもしれないが、「健康を大事にして、何歳になっても音楽と踊りを届けたい」と真剣な表情で話す姿は、以前にも増してかっこいい姿に見える。「B.O.C」はこれからどんな音楽やメッセージを届けてくれるのか。新しい大人世代に向けたエンターテインメントを発信してくれるのか。新ユニットの活動から目が離せない。
(了。前編から読む)