史上6人目となる「40本塁打―40盗塁」(フォーティフォーティ)を達成したドジャースの大谷翔平(30)。その偉業についてメジャーリーグに詳しいスポーツライターの友成那智氏はこう解説する。
「過去に達成した5人のうち3人(ホセ・カンセコ、バリー・ボンズ、アレックス・ロドリゲス)は1980~1990年代の記録であり、いずれも薬物使用疑惑が取り沙汰された。薬物使用が問題視されてクリーンになって以降では、2006年のアルフォンソ・ソリアーノ、昨年のロナルド・アクーニャ(ブレーブス、26)と大谷だけ。今季は打者に専念しているので、8~9月にバテることもなく、とくに盗塁は思い切りよくいけています」
メジャー史上初の「50-50」への期待も高まる一方、心配されるのがチームの優勝争いだ。
ナ・リーグ西地区の優勝争いでドジャースは一時、2位以下を10ゲーム離す独走状態だったが、ダイヤモンドバックスとパドレスが4ゲーム差以内に詰め寄ってきた。友成氏が言う。
「ライバル球団が調子を上げてきたことも一因ですが、ドジャースはクローザーの不安が大きく、ゲーム終盤の投手の役割が固定できていない。5月に不調でクローザーを外れたエバン・フィリップス(29)が8月25日の試合では9回のマウンドに上がりましたが、同点弾を浴びた。
ドジャースが地区優勝を逃すとすれば、この試合に象徴されるように8~9回に出てきたリリーフが崩れるケース。チーム成績次第では大谷の3度目のシーズンMVP獲得にも関わってくるでしょう」
※週刊ポスト2024年9月13日号