「じぇじぇじぇ」「倍返し」も
そんな氷川の商標騒動には、ここにきて新たな参戦者が現れた。それが、大阪府に本社を置く「ベストライセンス株式会社」だ。
「有名になった言葉やサービスなどを手当たり次第に商標出願する会社で、その手法には、特許庁が異例の注意喚起をしたこともあります」(社会部記者)
ベストライセンス社は過去にNHK連続テレビ小説『あまちゃん』の「じぇじぇじぇ」や、TBS系ドラマ『半沢直樹』の「倍返し」といった流行語から、「歩きスマホ」「個人型確定拠出年金」「民進党」など、話題のワードを次々と商標出願してきた。
「おそらく氷川さんの新芸名が話題になっていることに目をつけて参戦してきたのでしょう。この6月に出願しています」(前出・社会部記者)
福地国際特許事務所代表弁理士の福地武雄さんは、こう語る。
「ベストライセンス社により出願された商標が、登録まで至る可能性は低いですが、万が一、商標登録されてしまった場合、その登録を取り消すためには、商標登録異議の申し立てまたは商標登録無効審判の請求をする必要があります。
この異議申し立ての審理期間は、6か月から8か月もかかる(無効審判の審理期間は約1年)。さらに、取消決定または無効審判を受けた元の商標権者は、知的財産高等裁判所へ異議決定または無効審判の取り消しの裁判を提起することもできますので、そうなると、解決までより長い期間を要することとなるでしょう」
前所属事務所との話し合いも長期化の様相を見せており、今年の紅白までに決着するのは難しそうだ。果たして商標出願という火種を抱えた氷川の紅白出場はどうなるのか。
「生まれ変わりをアピールしたい本人は、氷川きよしではなく、新しい呼び名で出場したいでしょうね。ただ、権利問題もそうですし、肝心のファンが受け入れてくれるかどうか……」(前出・芸能関係者)
最大の焦点はファンの反応となりそうだ。従来の氷川のファンクラブは現在も存続するが、それはデビュー前からお世話になった前事務所への恩返しで氷川が希望したとされる。だが最近、そのファンクラブにも異変が起きている。
「デビュー時から氷川さんを支えてきたファンらの退会が目立っているそうです。古参のファンの多くは“自分らしく生きたい”という氷川さんを応援しつつも、以前とは異なるビジュアルや発言内容に“何か違う”という違和感を抱いているのかもしれません」(前出・芸能関係者)
厳しい現実を突き付けられたのが、先日の復活コンサートだった。
「今後のコンサートのチケット販売は好調なようですが、8月のコンサートは思ったほどの反応が得られず、過去に武道館を満員にしてきた氷川さんからすれば寂しい入りでした。危機感を覚えた氷川さんは、自ら復活コンサートのポスター配りを行っていたほどです。紅白にまで『KIINA.』の呼び名で登場することが自分にとってもファンにとってもいいことなのか、本人は慎重に判断するでしょう」(前出・芸能関係者)
目玉と期待される紅白出場を手にしたとき、本人が選択するのは「きよし」か「KIINA.」か、はたまた両方か──復帰早々、新生きーちゃんの悩みは尽きない。
※女性セブン2024年9月12日号