「私自身も小さかったので、その時はどういうことかあまり理解していなかったと思うんですが、彼女の夕食に並んだのがお肉が一枚だけとか、お昼に菓子パンが一個だけポンって置かれていたとか、そういった話は聞いたことがあります。
でも彼女は本当に周りにそういう自分の弱いところを見せないタイプで、気丈な性格でしたね。もともと責任感は強い子だと思いますが、施設に行ってからはよりしっかりしたという印象があります。その頃は妹さんのために飲食店でバイトもしていましたよ」
やす子は児童養護施設での暮らしについて、会見で「こんな幸せな世界があるのか、こんなに3食食べられる世界があるんだと思って感動しました」と当時の思いを振り返っている。大雨のなか走り抜けたマラソンでは、時間内に81キロを完走し、「マラソン児童養護施設募金」への募金額は4億を超えた。
自身の人生を救った児童養護施設と、全国の子どもたちに笑顔を届けたやす子なのだった。