「ここに長く住んでいますが、名古屋の自宅には奥様と息子さん夫婦が住んでいて、森本さん本人を見たことはありません。森本さんご夫婦は長年別居状態が続いていますよ」
取材班は再び都内で森本の行方を追うことに。日差しが照り付ける8月上旬の昼──Tシャツにビーチサンダルで高円寺の町をゆっくりと歩くキャップ姿の高齢者に見える男性がいた。少し猫背で無精髭をたくわえた白髪の男性は、森本レオ本人だった。
森本は駅の売店で夕刊紙を購入し、電車に乗り込むと、高円寺から数駅のエリアにある温泉施設へ向かった。2時間ほどで施設から出てくると、小柄の女性と合流してスーパーでカップ麺、袋菓子、佃煮などを購入。女性と別れた森本はカフェに立ち寄り、ホットコーヒーを飲みながら先ほど購入した夕刊紙、持参した「ニューズウィーク日本版」にゆっくりと目を落とした。18時過ぎ、カフェから出てきた森本に話を聞いた。