法廷に現れた須藤被告は、スリット入りの黒いノースリーブのワンピースという服装だった。つややかな黒髪は胸の下まで伸び、大きな白いマスクをしているものの、人目を引く華やかな雰囲気がただよっている。
野崎さんが亡くなった2018年5月24日、家にいたのは野崎さんと家政婦、そして須藤被告の3人だけだった。家政婦は日中から20時過ぎまで外出しており、帰宅後は野崎さんのいる寝室に足を踏み入れていない。検察官は、須藤被告が事件当日の16時50分から20時までのどこかで野崎さんに覚醒剤を摂取させたと主張している。
公判では、夫婦の出会いや犯行の詳細などを振り返るとともに、須藤被告が使用していたGoogleアカウントや携帯端末における事件前後の検索履歴などが証拠として読み上げられた。