3年連続の地区優勝を決めたロサンゼルス・ドジャース。「50-50」というMLB史上初の快挙を成し遂げた大谷翔平が、次に目指すは世界一の栄冠だ。そこに立ちはだかる強大なライバルたち。大谷が頂点に辿り着く道のりに何が待ち受けているのか。
勝利は大谷の打撃にかかっている
エンゼルス時代に経験したことがない「ヒリヒリする9月」を熱望して常勝球団・ドジャースに移籍した大谷翔平が、メジャー7年目で初のポストシーズン進出を決めた。
個人記録ではメジャーリーグ史上初の「50本塁打、50盗塁」超えという偉業を達成した。
二刀流で出場した2023年WBCでのMVPやア・リーグでのホームラン王など既に数々の栄冠を獲得した大谷が、未だに手に入れていないもの──それがワールドシリーズ制覇だ。悲願の達成、そして日本人としては2009年の松井秀喜以来となるワールドシリーズMVPへの期待も高まっている。
ポストシーズンにはア・リーグとナ・リーグから各6チームが出場。東、中、西の地区優勝3チームに加え、ワイルドカードとして地区2位以下で勝率が高い順に3チームが出場。勝率順に第1~第6シードとなり、対戦相手が決定する。
ドジャースは11年連続でポストシーズンに進出するも、うち5回は初戦敗退。昨年も地区シリーズでDバックスに3連敗し、早々に姿を消している。偉業を達成した大谷を擁する今季も、不安要素とされているのが監督の采配だという。
「ロバーツ監督は500試合以上指揮した監督のなかで通算勝率歴代1位ですが、名将とは呼ばれていない。それは巨大戦力を率いながら世界一に1度しか導いていないからで、“ポストシーズンに弱い”という評価がなされています」
そう語るのは、『メジャーリーグ完全データ選手名鑑』編著者・友成那智氏だ。今季のナ・リーグでドジャースの最大の壁となりそうなのは、メジャー随一の投手王国のフィリーズと見られる。
「通常プレーオフは投手3人でのローテとなるが、フィリーズは4人でも回すことができる。打線も破壊力十分。2022年にワイルドカード3位からリーグ優勝を達成した時の主力が残る野武士軍団です」(友成氏)