リングシューズが設置された理由
元子さんと馬場さんの出会いはプロレスラーになる前、巨人軍の投手時代だったという。当時の巨人は明石でキャンプを行なっていた。
「元子さんのお父様は地元で有名な実業家で、巨人軍の選手を自宅に招いて食事会などを催していた。その時に元子さんと知り合って、交際が始まったといいます。馬場さんのために元子さんが特大のスリッパを準備したそうです」(地元商店主)
当初、馬場さんの墓にリングシューズのモニュメントはなかったという。納骨後に設置されたのだと前出・釋住職が説明する。
「多くの方が墓参に来られるだろうから、一目で馬場さんの墓だとわかるようにしたほうがいいのでは……とご遺族に提案し、モニュメントが設置されました」
各地で著名人の眠る場所を訪ね歩く“墓マイラー”は少なくないので、わかりやすいように設置されたという。プロレスファンの間では馬場さんの墓所の存在は知られており、全国から墓参があるという。プロレス関係者も少なくなく、6月には大仁田厚の姿も見られた。
「全国でプロレスの興行があるため、関西で開催される時に墓参されるようですね。先日もプロレス団体のマイクロバスが寺の前に止まっていました」(前出・釋住職)
生前、馬場さんは元子さんの親戚を介して明石市のロータリークラブのイベントにも頻繁に参加し、阪神淡路大震災の慰霊碑の除幕式にも参列している。
「今年、テレビで取り上げられて以降は、宮本武蔵が作庭した枯山水の庭園を見学にいらっしゃった方が、一緒に馬場さんのお墓にお参りされることが多くなりました。馬場さんも喜ばれていると思います」(同前)
馬場家の墓には、今も献花が絶えないという。