郷敦もまた両親の離婚を経験している。父・千葉さんは家庭を顧みず、母親がパートで生計を立てて女手ひとつで真剣佑と郷敦を育てた。都合のいいときだけ連絡してくる千葉さんを郷敦は軽蔑しかけたが、役者の道に導かれ、住み込みで指導を受けるようになってからは父の行動が理解できるようになったという。
「仕事に全身全霊を傾ける姿を目の当たりにして、千葉さんを役者として尊敬するようになったといいます。2021年8月に千葉さんが急逝し、翌年お別れの会が開催された際には『父と同じ俳優となり、生前父が見つめる景色をぼんやりとですが最近、やっと見え始めたところです。いまとなっては、その先に父が何を見つめていたのか、もっと話しておけばよかったと思っています』と後悔の念をつづっていました」(役者仲間)
子供の親権は元妻に渡ったが、郷敦は千葉さんの名前から一文字取った息子を大切に思っているという。
千葉さんが郷敦に残した書にはこうつづられている。「魂の 真底深く 噛み砕け」
郷敦はいま歯を食いしばって、第二の人生を歩き出している。
※女性セブン2024年10月17日号