薄暗い照明の空間に頭部のないリアルな人形や、血しぶきのような跡が

怪談バー「A」のトイレ(客提供)

帰宅した玄関で伝えられた「首拾った」の一言

 修被告に対する証人尋問は第2回公判に続く形で行われた。鬼気迫る瑠奈被告の絶叫を7分どころか60時間以上も直接浴びながら、それを録音し続けていた修被告。逮捕時よりもはるかに痩せた体型に、くすんだグリーンの長袖トップスと黒いズボン、白髪混じりの短髪にメガネをかけ、手錠腰縄姿で証言台の前にやってきた。本来、尋問は第3回に行われる予定だったが、修被告の新型コロナウイルス感染により、今回に延期となったのだった。

 彼曰く、瑠奈被告には「シンシア」や「ルルー」など複数の人格があるのだという。絶叫していたのは「シンシア」であり、その妹の瑠奈被告の魂が死んだと「シンシア」は訴えているのだそうだ。

「シンシアの魂としては、私たちの問題で娘の魂が亡くなったという認識で、我々を憎んでいる言動があります」(修被告の証言)

 複数の人格を内包する娘の殺人実行をサポートしたとして起訴されている修被告は、妻の浩子被告よりも関与の度合いが強いと検察側には見られている。だがこの日、修被告が証言したのは“娘の犯行計画は知らなかった”という趣旨の内容だった。事件当日の2023年7月1日夜、瑠奈被告が殺害実行のために外出する際も、修被告は車で送迎していたが、娘が何をするつもりで外出したのか、知らなかったのだと語る。

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