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有名人を騙る怪しげなアカウントとやり取りを重ねたオバ記者が気づいた「詐欺師のメールの特徴」

怪しいメッセージの相手は…?

怪しいメッセージの相手は…?(イメージ)

 SNSでは有名人になりすます怪しいアカウントも少なくない。体験取材を得意とする『女性セブン』の名物ライター“オバ記者”こと野原広子が、そんなアカウントとメッセージのやり取りをした。そこから見えてきたものは何か、オバ記者が綴る。

 * * *
 70代の友人Y子が怒っている。

「SNSの友達申請を受けたら、その相手がいきなり、『夕飯は何を食べた?』だって。頭に来たからすぐブロックしたわよ」と。いやいやソレ、世界のどこかからAIを使って無差別に発信しまくっている投資詐欺犯の常套句だって。

「最近はAIの性能がよくなっているから、ついついだまされる人もいるみたい」とY子に言ったものの、実は私も最近、ある人物を騙った“AI人間”に振り回されっぱなしだったの……。

 昨今の怪しいメールは、FacebookやInstagramの「友達申請」から始まる。

 ライター稼業の私は“存在が知られてナンボ”だから、友達申請されたら、相手のプロフィールをそれなりに確認してから承認するかしないかを決めている。自分では用心していたつもりだったのに、今回は10日もの間、その気になっていたんだから笑っちゃうわよ。

 事の発端は、私のFacebookの「知り合いかも」の表示に、パティシエの鎧塚俊彦さんの名前があったことなの。鎧塚さんとは面識がないけど、共通の友達なら何人かいる。それに彼はフォロワー数8000人超えの超有名人。彼のSNSの読者になるつもりで、気楽にこちらから友達申請をしたんだわ。

 そうしたら数日して、〈こんにちは。友達リクエストを送ってくれてありがとう〉と返事が来た。へぇ、有名人なのに?と思って、すかさず〈こちらこそよろしくお願いします〉と返したら、翌日すぐに〈広子さん、こんばんは。広子さんは優れたライティングの達人ですね〉と来た。

〈高名なパティシエにそんなことをおっしゃっていただき、今夜は眠れません〉
〈広子さん、お早うございます。私も普通の人間ですし、人と人との交流は平等であるべきだと思います〉
〈まだその機会に恵まれませんがぜひ、鎧塚さんの作るケーキを食べてみたいと思います〉
〈私のケーキに興味を持ってくれて、非常に光栄です! あなたの計画を見てとても嬉しく思いますが、自分をあまり緊張させないように気をつけてくださいね! 私の作品は時々、小さな隅に隠れていて、発見されるのを静かに待っています。あなたが気に入る作品を見つけられるといいですね〉

 んっ──パティシエが自ら作り出したスイーツを「小さな隅に隠れていて」なんて思うか? ……だけど、そのときはちょっと首をかしげておしまい。

 そうしたらよ。

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