菅野にとっては過去の雪辱を果たすための戦いにもなる。巨人で新人王に輝き、引退後には投手コーチを務めた関本四十四氏(75)は、菅野の活躍の重要性を強調する。
「日本一へのカギは、菅野が『短期決戦に弱い』という汚名を返上できるかでしょうね。リーグが違うとはいえ、配球や割合、球筋はスコアラーによって両チームともに丸裸なので、菅野もあくまでペナントレースと同じ精神状態でプレーすることが大事です。
今年の菅野はストレートの質がよくなって変化球が活きている。シーズン中と同じ投球ができれば、6回を2~3点の失点で乗り切って試合を作れると思う。しっかりとコンディションを整えて臨んでほしいですね」
森氏は今季、阿部監督が菅野と小林誠司(35)の“スガコバコンビ”を復活させた起用法を評価し、バッテリーの活躍が重要になると指摘する。
「菅野と小林のように、結果を出したコンビをきちっと使って戦う。当たり前なようで、なかなかできることではないよ。もっと言えば、キャッチャー自身に短期決戦に対する感性がどれくらいあるか。それが重要だろうな。日本一を経験した阿部監督が、しっかり能力を引き出してやるしかないだろうな」
“お祭り男”、出でよ!
野手陣に目を向けても、2012年の日本一メンバーは坂本勇人(35)、長野久義(39)といったベテランのみ。主砲・岡本和真(28)やリードオフマン・丸佳浩(35)に期待がかかるが、2人とも過去の日本シリーズでは打棒が奮わなかった。
「2014年ドラ1の岡本は、2019年と2020年のソフトバンクとの日本シリーズを経験し、8試合で打率.138に終わった。カープ時代とあわせて日本シリーズの18試合に出場した丸も、シリーズ通算打率.191という数字です」(前出・スポーツ紙デスク)