修被告は知っていたのか
驚くのはその3日後、父娘が自宅で“SMプレイの練習”をしたという証言だ。
「正座して、手を後ろに回して、目を瞑って、これはまあ、手錠をかけられてアイマスクのつもりだと言われました。後ろから何か迫ってきて、頭や首の周りを触ったりする様子がありました。『どう?』と言うから、『何かぞくぞくするね〜』と、やりとりした」
このような流れで、修被告は「男性と和解した娘が、次のSMプレイを楽しみにしていると思っていた」と主張している。しかし、検察側は、修被告が少なくとも事件の日の10日以上前から娘の犯行計画を知っていたとしている。
修被告は、娘が“SMプレイを楽しむ”つもりだと思っていたのか、それとも“SMプレイを装って殺害する”ことを認識していたのか。今後の公判を注視したい。
◆取材・文/高橋ユキ(ノンフィクションライター)