保守派の論客の1人で憲政史研究家の倉山満氏は、この状況では、高市氏が反主流派を率いて党を割り、「高市新党」で戦う可能性があると語る。
「私は高市応援団ではありませんが、総裁選の上位3人のなかでは高市さんの主張が一番マシだという評価をしていました。高市さんは岩盤保守層と呼ばれる人たちからの支持が強い。総裁選では岩盤支持層から保守系議員に『高市さんに入れてほしい』『推薦人になってほしい』と思いをぶつける電話が相次いだそうです。
これは高市さんがやらせたのではない。高市さんはそういう人たちに媚びることはなく、自身の政策を訴えるだけ。それを支持者が評価し、自発的に行動しているという状況です。自民党だからではなく、高市さんだから、と支持する有権者が一定程度いる。
そして今回の組閣を見ると、高市さんを支持する勢力が冷や飯を食っていることは明らかです。この状況はかつて宮沢喜一政権下で小沢一郎氏が竹下派や政権を見限り、改革フォーラム21を立ち上げて内閣不信任案に賛成、解散・総選挙となって自民党を割った時と似ています。こんな状況だからこそ、高市さんがグループをまとめて石破自民党を飛び出す、という選択が現実味を帯びているといえます」
他の保守政党からは、早くも高市氏へのラブコールが起きている──。
※週刊ポスト2024年10月18・25日号