いまでこそ当たり前になりつつある、芸能人の「独立」。だが、いまから約20年前は、まだ珍しかった。時任三郎(66才)は、2006年に業界内で先駆けて独立。個人事務所を立ち上げ、代表取締役を務めてきた。だが、時任が自身の分身とも言える個人事務所の代表を、人知れず退任していたことがわかった。
「昨年11月末に、代表取締役の座を長男で俳優の時任勇気さん(33才)に譲っています。そればかりか、役員からも完全に身を引きました。昨年、時任さんは65才を迎えました。以前は毎年のようにドラマや映画に出ていましたが、還暦を迎えて以降、そのサイクルを変えたのでしょう。役者として成長した息子に個人事務所を任せ、“自分はマイペースで”ということなのかもしれません」(芸能関係者)
気配はあった。時任の俳優仕事といえば、2022年9月放送のスペシャルドラマ『監察医 朝顔』(フジテレビ系)と、同年末に公開された映画『Dr.コトー診療所』への出演まで遡る。
「『Dr.コトー~』に関しては、映画の主要な出演者がずらりと並んだ初日舞台挨拶に、時任さんは姿を見せませんでした。昨年、ドラマ『うちの弁護士は手がかかる』(フジテレビ系)のナレーションを担当しましたが、“顔出し”での演技からは2年ほど遠ざかっています」(テレビ局関係者)
時任を一躍有名にしたのは、1983年に放送されたドラマ『ふぞろいの林檎たち』(TBS系)だ。その後、多くのドラマ、映画に出演し、日本アカデミー賞優秀主演男優賞を2度受賞。「24時間戦えますか」のキャッチコピーで有名な『リゲイン』の初代CMキャラクターに起用され、バブル景気へ向かう時代を象徴するスターのひとりだった。
人気絶頂の1991年に結婚。同年4月には、真田広之(63才)とともに、渋谷のライブハウスで「合同結婚披露パーティー」を開催した。大親友といえる仲だ。
「共通の友人が多かったのを理由に、時任さんの発案で開催され、約350人が参加しました。真田さんとはその後も家族ぐるみの交流を続けていると聞いていましたが……」(別の芸能関係者)
真田はこの9月に、自身がプロデュースし主演も務めたハリウッドドラマ『SHOGUN 将軍』でエミー賞主演男優賞をはじめ18の賞を受賞した。
「歴史的な快挙を盟友が成し遂げたにもかかわらず、時任さんは特にコメントを発表せず沈黙したまま。代表取締役を退いたこともあって、体調不良や引退を心配する声も出ています」(前出・芸能関係者)
『朝顔』では、主人公・朝顔(上野樹里、38才)の父で、定年後に認知症を患う元刑事役を好演。一方の『Dr.コトー~』でも、漁船事故で歩行困難になった漁師という役どころだった。近年、病に苦しむ役が板についていたことで、私生活とリンクさせてしまう人も多かったのだろう。10月上旬、自宅を訪ねると、インターホン越しに時任が対応した。
「(病気で出られないということは)ないです。引退もありません」
言葉少なだったが、重病説や引退は否定した。ゆっくりと自分のペースで、息子へのバトンタッチをしているところなのかもしれない。
※女性セブン2024年10月24・31日号