国民の多くが望んでいるにもかかわらず、なぜ「女性天皇」の議論は停滞したままだったのか。それは、強硬な“ストッパー”がいたからだ。だが、その最大の障壁は取り除かれた。愛子さまと皇室の未来が、いま大きく動き出そうとしている──。
天皇家の長子である愛子さま。10月11日と12日には初の単独地方公務として佐賀県を訪れらたが、そのご活躍はそのまま「女性天皇」待望論の高まりにつながる。
「すでに世論調査で『女性天皇』への賛成は9割。世間の人の多くが愛子さまを思い浮かべていることは間違いありません」(皇室記者)
だが、民意とは大きく離れ、皇室典範の改正議論は遅々として進んでいない。岸田文雄前首相が昨年11月に立ち上げた「安定的な皇位継承の確保に関する懇談会」では、皇室の先細り問題を喫緊の課題とし、「女性皇族が結婚後も皇族の身分を保持する」という案が活発に検討されてきた。しかし、こと皇位継承においては「悠仁さままでの流れをゆるがせにしてはならない」とし、女性天皇容認の議論には踏み込んでいない。
懇談会会長は麻生太郎氏で、議論をリードすることが期待されたが、実際は“ストッパー”になってきた。今年7月、保守系団体の会合に出席した際にも麻生氏は「皇位継承の仕組みを大きく変更するのは、慎重の上にも慎重であることが求められる」と強調した。
「麻生氏は、実の妹である信子さまが寬仁親王と結婚し皇室入りするなど、皇室と縁が深い。それだけに、皇位が男系の血筋で受け継がれる『万世一系』にこだわり、女系天皇実現のきっかけになりかねない女性天皇の可能性を潰してきました」(永田町関係者)
麻生氏に引導を渡した石破氏
そうした流れは、麻生氏と犬猿の仲である石破茂新首相の誕生で急転しそうだ。石破氏は、麻生氏を党の最高顧問に据えた。
「最高顧問といえば聞こえはいいものの、実際は単なる名誉職で実権は何もない。石破氏が、“目の上のたんこぶ”の麻生氏に引導を渡した格好で、麻生氏の影響力は激減しました」(全国紙政治部記者)
石破氏自身は、総裁選前に「男系の女性天皇の可能性、女系の男性天皇の可能性を全部排除して議論するのは、どうなのだろうか」と疑問を投げかけ、皇室の新時代への議論にはずみをつけた。
「もともと議員からの人気が低かった石破氏は、10月末の総選挙に向け、裏金議員の非公認の方針を打ち出して党内から強い反発を受けています。そのため、求心力の低下を避け世論を味方にしようと、女性天皇の容認に目をつけることは充分にありえます。女性天皇に『反対のボス』だった麻生氏という重しが消えたことで、その流れが加速するのは必然でしょう」(前出・全国紙政治部記者)
遠くない時期に結論が出ていることを期待したい。
※女性セブン2024年10月24・31日号