アメリカ有数のセレブであるラッパーで音楽プロデューサーのショーン・コムズ(54)が、性的人身売買や恐喝、売春行為関与などの罪で起訴され、世界に激震が走っている。コムズに対し、すでに未成年者も含めた120名が性的暴行や性的搾取を受けたとして訴訟を起こす構えだが、現地時間10月14日、新たに男女6名が彼を告発した。現地在住のジャーナリストが解説する。
「コムズは、“ディディ”や“パフィ”といった名前で知られ、ヒップホップ業界を牽引してきた大御所アーティストです。レコード会社やファッションブランドも経営し、その純資産総額は8億ドルを超えると目されています。経済誌『フォーブス』が発表する『アメリカで最も裕福なセレブリティ』で第8位にランクインしたこともあります。
全米でも有数の成功者でありながら、判決によっては終身刑に処される可能性も出てきています。大富豪ジェフリー・エプスタイン(2019年逝去)による児童への性的暴行が発覚した騒動に重ねて、コムズを“第2のエプスタイン”と呼ぶ声もあります」(現地のジャーナリスト、以下同)
コムズをめぐっては、元恋人である歌手キャシー・ベンチュラ(38)への暴行をとらえた動画も大きな注目を集めた。動画は、2016年にカリフォルニア州のホテルの監視カメラが撮影したものだ。コムズはホテルの廊下でキャシーの体をつかんで引き倒し、強く蹴りつけた後、彼女を引きずって部屋へと戻っている。
「昨年11月、キャシーが“約10年の交際期間で、彼から性的暴行を受けた”と訴えを起こしたものの、すぐに示談が成立しました。キャシーは当時、“薬物でコントロールされた”や“ほかの男との行為を強要された”などと主張していました。
今年5月に動画について報じられた数日後、コムズはSNSを更新し、『自分の行動に嫌悪感を抱く』と暴行を認めて謝罪しました。しかし、“カリフォルニア州での暴行罪の時効が過ぎていることを確認してからコメントを出したのではないか”と疑われ、ネット上を中心にさらなる批判が巻き起こりました」
そんな騒動を経て、コムズは9月、性的人身売買などの罪で逮捕・起訴された。保釈は認められず、現在もニューヨーク市内の拘置所に収監されている。彼自身は無罪を主張しているが、次々と被害者が名乗り出ている状況だ。