秘書とみられる男性が自民党の菅義偉・副総裁の乱れた髪を櫛で整える。菅氏の目はうつろで、どこか歩く足取りもおぼつかない。この様子をとらえた動画がX(旧Twitter)で拡散された。それに反応する形で「大丈夫かな…」「心配」などといったポストが目立ったが、75歳の元総理については永田町でも健康不安説がささやかれている。果たしてその真相は──。
菅氏は10月24日、3日後の衆院選投開票に向けて栃木入りした。同県真岡市では菅政権で党総務会長を務めた佐藤勉氏が演説会を開いており、当選同期でもある菅氏が応援に駆けつけた。
佐藤氏の陣営としては、目前に迫る投開票に向けて同氏と関係の深い大物を呼んで最後のテコ入れを図りたいところで、会場を訪れた70代男性は「菅さんの姿を一目見ようと参加した。今日が楽しみだった」と演説会前に期待を示していた。
菅氏は安倍晋三政権で官房長官を務めていた際に成立させた安全保障法制や、首相として取り組んだ新型コロナウイルスのワクチン接種など、自身の実績に言及しながらそれを支えた佐藤氏の活躍を紹介した。
ところが、駆けつけた支援者の印象に強く残ったのは、「最強の官房長官」とも呼ばれ、辣腕を振るって霞ヶ関などから恐れられた「大番頭」からはほど遠い、威勢のない菅氏の姿だったようだ。
ヨロヨロとおぼつかない歩き方で…
菅氏は演説会の冒頭、会場から拍手で迎えられるも、ヨロヨロとおぼつかない歩き方で、SP(警護官)に支えられる場面もあった。演説も途切れがちで言葉が出てこないような様子が見受けられ、全体として抑揚にとぼしく覇気を感じさせなかった。
演説会は最後に「頑張ろう!」のコールを参加者全員で三唱して幕を閉じたが、菅氏が握り拳を突き上げるタイミングは、2度目3度目と次第にずれていった。大手紙政治部記者が解説する。