西岩部屋の騒動が角界関係者の注目を集めている。所属する序二段力士・幹希の里(19)が部屋の公式サイトを通じて「SNS上での同部屋への誹謗中傷が自身の母と祖母によるものだった」ことを公表し、〈縁を切ろうと思い、区役所へ行き分籍しました〉と綴ったのだ。騒動の当事者たちに言い分を聞いた。【前後編の後編。前編から読む】
もともと、幹希の里とその弟の里田中(序二段)が、兄弟で西岩部屋に所属していた。しかし、弟の里田中は今年の5月場所後に部屋からいなくなり、9月場所後に相撲協会から正式に引退が発表された。弟がいなくなった直後からSNSでの誹謗中傷が始まったとされ、それについて今回、幹希の里が自身の母と祖母によるものだったと公表するに至ったのだ。
幹希の里は部屋の公式サイトで父親のFacebookの投稿にも言及。〈父がSNSで勝手な憶測と嘘の投稿をしていることが分かり、親方とおかみさんの指導に対して作り話で不満をぶつけ〉ていることを問題視し、分籍に至ったと明かしている。
兵庫県尼崎市に住む幹希の里、元・里田中の両親は直撃取材に口を閉ざしたが、九州場所のために現地入りしている西岩親方は取材に答えた。幹希の里が部屋の公式サイトに、「相当の覚悟を持って書いた」と説明する西岩親方に、騒動はおかみさんとの人間関係などが原因ではないかとも聞いてみた。すると親方はゆっくりと首を左右に振りながらこう答えた。
「普通だと思います。もちろん理不尽なことや、違う方向に向かっているとしたら、注意しますが、間違っていると思ったことはない。時代が違うが、昔はもっと厳しいことをいわれていた。まだ甘いと思って見ています」