禊ぎは済んだ?
萩生田氏とは対照的だったのが、やはり裏金問題で自民党非公認とされて無所属で出馬した下村博文・元文部科学相(東京11区)だ。候補者討論会で裏金問題や旧統一教会問題との関係について「当選すれば禊ぎは済んだと思うか」という質問のフリップボードに1人だけ本音むき出しの「〇」をつけ、会場から失笑が漏れた。
選挙区に貼られたポスターも「自民党」の文字がテープで隠され悔しさがにじむ。その下村氏の応援に駆けつけたのが自民党の青山繁晴・参院議員。ところがその演説の内容が異色すぎた。
「自由民主党の議員は、『裏金と言うな』と言う人もいますが、私は裏金だと思います。なぜかというと、集まってきたお金を政治資金収支報告書に記載していなかったということは、その分の使い道を知られたくないということですよね。わからないという意味では裏金と言われてもやむを得ないと考えています。そのうえで、政治資金と言えば無税なのは本当に正しいんですか?」
裏金批判が続き、下村氏は困り顔で聞いていた。各陣営にちぐはぐさが際立ったが、それは有権者に正対する姿勢だったのだろうか。
※週刊ポスト2024年11月8・15日号