国内

《何があったのか》衆院選、小池百合子都知事、石丸伸二氏、蓮舫氏らの“ねじれた応援”「まるで都知事選場外バトル」の様相

新設された東京29区で、公明党の岡本三成候補の応援に立った小池百合子・東京都知事(撮影:小川裕夫)

新設された東京29区で、公明党の岡本三成候補の応援に立った小池百合子・東京都知事(撮影:小川裕夫)

 昨日の敵は今日の友、そして友が敵になることもよくあること、と言われるが、わずか3か月で関係性が激変してしまうと、やはり戸惑いを覚える。10月27日に投票・開票日を迎えた衆議院議員選挙の選挙運動で、小池百合子都知事、石丸伸二・元安芸高田市市長、蓮舫・前参議院議員の3人がとった行動は、7月に行われた東京都知事選挙のときには予想もしなかった「ねじれた」ものだった。選挙取材を続けてきたライターの小川裕夫氏が、衆院選挙運動の際にあらわになった、都知事選場外バトルについてレポートする。

 * * *
 政治資金収支報告書への不記載、いわゆる裏金をめぐる問題で自民党に大逆風が起きた今回の衆院選は自民党と公明党の連立与党が過半数を割る大敗北を喫した。連立与党を組む公明党も苦戦を強いられ、石井啓一代表は小選挙区の埼玉14区(草加市、八潮市、三郷市)で敗北。比例重複をしていないため、国会議員のバッジをはずすことになった。

 衆院選の結果は今後の国政を大きく左右することは言うまでもないが、その裏では2024年7月に投開票された東京都知事選の場外バトルも勃発していた。

 先に触れた石井啓一代表は10月15日にJR三郷駅で街頭演説をしたが、そこには小池百合子都知事が応援演説に駆けつけて支持を訴えた。

 他道府県の知事が、わざわざ都道府県境を越えて応援に駆けつけることは珍しいことではい。小池都知事のほかにも埼玉県の大野元裕知事は10月26日に東京30区(府中市、多摩市、稲城市)から出馬した長島昭久候補の応援演説に立っている。

 しかし、小池都知事が石井代表を応援したことは明らかに異常事態だった。なぜなら、小池都知事は先の都知事選で国民民主党から手厚い支援を受けているからだ。

最終日のマイク納めに石丸伸二氏

 公明党の石井代表が立候補した埼玉14区には、国民民主党が擁立した候補者がいた。それにも関わらず、そのライバル候補を小池都知事が応援したのだから穏やかな話ではない。

 国民民主党は東京29区(荒川区、足立区)にも候補者を擁立したが、小池都知事は10月20日に公明党が東京29区に擁立した岡本三成候補の応援演説に立っている。岡本候補は演説の中で荒川の治水対策を強化すると主張したが、それを受けて小池都知事は「徳川家康が江戸のまちづくりで、もっとも力を入れたのが治水。岡本候補は令和の徳川家康」と応援演説で持ちあげた。小池都知事の過分な礼賛に対して岡本候補は苦笑していたが、悪い気はしなかっただろう。

関連キーワード

関連記事

トピックス

指定暴力団六代目山口組の司忍組長(時事通信フォト)
《10年抗争がなぜ突然?》六代目山口組が神戸山口組との抗争終結を宣言 前兆として駆け巡った噂と直後に投稿された怪文書
NEWSポストセブン
川崎
“トリプルボギー不倫”川崎春花が復帰で「頑張れ!」と声援も そのウラで下部ツアー挑戦中の「妻」に異変
NEWSポストセブン
最後まで復活を信じていた
《海外メディアでも物議》八代亜紀さん“プライベート写真”付きCD発売がファンの多いブラジルで報道…レコード会社社長は「もう取材は受けられない」
NEWSポストセブン
ショーンK氏が千葉県君津市で講演会を開くという(かずさFM公式サイトより)
《“ショーンK復活”が話題に》リニューアルされたHP上のコンサル実績が300社→720社に倍増…本人が答えた真相「色んなことをやってます」
NEWSポストセブン
依然として将来が不明瞭なままである愛子さま(2025年3月、神奈川・横浜市。撮影/JMPA)
愛子さま、結婚に立ちはだかる「夫婦別姓反対」の壁 将来の夫が別姓を名乗れないなら結婚はままならない 世論から目を背けて答えを出さない政府への憂悶
女性セブン
28歳で夜の世界に飛び込んだ西山さん
【インタビュー】世界でバズった六本木のコール芸「西山ダディダディ」誕生秘話、“夢がない”脱サラ社員が「軽い気持ち」で始めたバーダンスが人生一変
NEWSポストセブン
通算勝利数の歴代トップ3(左から小山さん、金田さん、米田さん)
追悼・小山正明さん 金田正一さん、米田哲也さんとの「3人合わせて『1070勝』鼎談」で「投げて強い肩を作れ」と説き、「時代が変わっても野球は変わらない」と強調
NEWSポストセブン
行列に並ぶことを一時ストップさせた公式ショップ(読者提供)
《大阪・関西万博「開幕日」のトラブル》「ハイジはそんなこと望んでいない!」大人気「スイス館」の前で起きた“行列崩壊”の一部始終
NEWSポストセブン
不倫報道のあった永野芽郁
《“イケメン俳優が集まるバー”目撃談》田中圭と永野芽郁が酒席で見せた“2人の信頼関係”「酔った2人がじゃれ合いながらバーの玄関を開けて」
NEWSポストセブン
六代目体制は20年を迎え、七代目への関心も高まる。写真は「山口組新報」最新号に掲載された司忍組長
山口組がナンバー2の「若頭」を電撃交代で「七代目体制」に波乱 司忍組長から続く「弘道会出身者が枢要ポスト占める状況」への不満にどう対応するか
NEWSポストセブン
日本館で来場者を迎えるイベントに出席した藤原紀香(時事通信フォト)
《雅子さまを迎えたコンサバなパンツ姿》藤原紀香の万博ファッションは「正統派で完璧すぎる」「あっぱれ。そのまま突き抜けて」とファッションディレクター解説
NEWSポストセブン
ライブ配信中に、東京都・高田馬場の路上で刺され亡くなった佐藤愛里さん(22)。事件前後に流れ続けた映像は、犯行の生々しい一幕をとらえていた(友人提供)
《22歳女性ライバー最上あいさん刺殺》「葬式もお別れ会もなく…」友人が語る“事件後の悲劇”「イベントさえなければ、まだ生きていたのかな」
NEWSポストセブン