仕事の合間を縫って告別式に駆けつけた天海《2024年1月》

仕事の合間を縫って告別式に駆けつけた天海(2024年1月)

好きなアーティストとの仲を取りもって

“宝塚史上最高”ともいわれた男役トップスターから、1995年に女優に転身した天海は、芸能界の第一線を走り続けてきた。華々しい世界に身を置き、大物女優と呼ばれるようになっても、家族の存在は天海にとって大きな支えとなった。彼女が特に影響を受けたのが兄だったという。

「天海さんは小さい頃からお兄さんのマネをして野球をしたり、尺八をやっていたお父さんに連れられて、お兄さんと一緒に民謡を舞台で歌ったこともあった。お兄さんはいかにも下町育ちらしいチャキチャキした話し方をする人。天海さんもふとした瞬間にそういった話し方やしぐさをすることがあるのですが、“これは兄の影響なの”と笑っていました。

 お兄さんとは、大人になってからも、よくカラオケに一緒に行っていましたし、過去にインタビューで《お兄様の妹に生まれて ほんっと よかった》と話していたこともありましたね」(前出・天海家の知人)

 そんな兄は、家族にめったに頼み事をしなかったというが、唯一、天海を頼ったことがあったという。

「その昔に、どうしてもシャネルズ(現ラッツ&スター)のライブに行きたかったお兄さんが、天海さんに頭を下げてチケットをお願いしたことがあったそう。天海さんは“兄のためならば”と周囲に掛け合い、チケットを入手し、さらにお兄さんとメンバーを会わせるというサプライズまで用意したんです。それがきっかけでメンバーの佐藤善雄さんはお兄さんと仲よくなり、長く交流が続いた。佐藤さんは今回の葬儀にも顔を見せていましたよ」(テレビ局関係者)

 近所でも評判の仲よし一家に暗い影を落としたのは、父の死だった。2007年、父が肺炎のため68才で亡くなったのだ。

「一家の大きな柱が失われて、家族全員が深い悲しみに襲われました。特にお母さんは非常に落ち込んでいて……天海さんはお母さんを少しでも元気づけられたらと、旅行に連れて行き、“いつも一緒にいられるように”とお父さんの遺骨からダイヤモンドを作って、お母さんにプレゼントしたそうです」(前出・テレビ局関係者)

 兄の病気が判明したのは一家が悲しみから這い上がってきたタイミングだった。

「最愛の兄に残された時間を知り、当初、天海さんはうろたえるばかりだったといいますが、“私がしっかりして、家族を支えなければ”という思いが、天海さんを奮い立たせていたのでしょう。お兄さんの奥様とも協力して家族が暗くならないように努めてきたそうです。天海さんは葬儀で涙を見せていませんでした。それは長い闘病を耐え抜いた兄の頑張りを称える気持ちが大きいからなのだと思います」(前出・天海家の知人)

 葬儀では、かつて彼が、自分の葬儀で流してほしいと所望していた曲がかけられた。『TONIGHT』(ラッツ&スター)だった。兄もまた、最後まで天海への感謝を忘れなかったのだろう。

※女性セブン2024年11月14日号

最愛の兄を送った

最愛の兄を送った(2024年1月)

兄は数年前から闘病していた(2024年1月)

兄は数年前から闘病していた(2024年1月)

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