22年間も乗り続けてきた
JZA70型の価格は税込みで420万~430万円と、当時としてはかなり高額である。もっとも、車への憧れが強かったバブル期の若者にとっては、500万円未満の「頑張れば何とか手が届く」価格帯でもあった。当時を知る世代なら、スープラと聞いただけで懐かしさとシンパシーを覚えても不思議ではあるまい。
「マニュアルではなくオートマ車。峠やサーキットに行ってガンガン走るというより、仕事の相棒であり、かつイヤなことがあったときに乗って飛ばす車くらいの位置づけだったのでは」と山本氏は言う。
高市氏が選挙活動中を含めて22年間も乗り続けたというこのスープラ、実はいったん廃車にすると決意したものの、名残惜しくてずっと大切に保管し続けていたのだという。2022年初頭に高市氏の地元の奈良トヨタが買い取ってレストア(復元)し、同年10月にお披露目した。その際の動画が『高市早苗チャンネル』でも公開されている。
「レストアのあまりの完成度に高市さんは興奮を隠しきれず、助手席に乗る予定が自ら運転席に乗り込んで発進した。あの喜び方からは、本当に好きなんだということがよくわかります。ですが、予想外の事態にSPさんが大慌てする一幕もあったようです(笑)」(山本氏)
そんな幻の車の登場に、テレビの前では選挙以上に盛り上がった人もいたようだ。