「柚希ちゃんの身体の傷から推察するに、犯行に使われたのは、刃の幅が数センチほどの細いナイフのようです。また、救急車で搬送されるとき、まだ意識のあった柚希ちゃんは、犯人について問われ『大人の男の人…』と力を振り絞って話したそうです」
住宅街での犯行だったが、目撃情報や遺留品などはなく、捜査は難航した。
「2008年7月には、上限300万円で捜査特別報奨金制度の対象に指定されましたが、犯人に結びつくような有力情報は寄せられないままに、その指定が打ち切りとなりました。
県警は当初、顔見知りの犯行で決め打ちして、初動捜査の範囲をかなり絞っていたと聞きます。疑いをかけていた人物のアリバイが証明されてから、ようやく本格的な聞き込みなどを始めたそうで、関係者からは捜査の不手際を指摘する声もありました」
今回、事件への関与をほのめかした男は、2004年に岡山県津山市で小学3年生(当時9)の女児が刺殺された事件の犯人だ。別の殺人未遂事件で服役していたが、2018年に逮捕され、昨年9月に無期懲役が確定した。
任意の聴取で供述した通り、この男が柚希ちゃんも毒牙にかけたのか。17年の時を経て、真相解明の瞬間が迫っている。