ロサンゼルス・ドジャースがワールドシリーズを制覇し、夢の「世界一」を達成した大谷翔平(30)。左肩の亜脱臼もあったワールドシリーズはほろ苦い成績だったものの、移籍1年目からシーズン54本塁打、130打点で打撃2冠を獲得し、59盗塁と躍動した大谷の活躍がチームを牽引したことは間違いない。そんな大谷の大ファンだというコメディアンの萩本欽一(83)が、本誌・週刊ポストの取材に対し、大谷への応援メッセージを寄せた。
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大谷君、ワールドシリーズ制覇、おめでとうございます。レギュラーシーズンを通して、試合をずっと観てきました。時差があるから、朝早起きしてね(笑)。今シーズンは移籍1年目で心配したけど、ドジャース1年生なのに、大谷君はドジャースファンの心もしっかりと掴んでいた。お客さんの喜ばせ方を本当によくわかっていると思いますね。毎試合、「ありがとう!」という気持ちでした。
リーグ優勝の時、ベッツ選手がトロフィーを「お前、持てよ」という感じで大谷君に渡していたでしょ。「ああ、先輩に見守られているんだな」と感激しました。人を喜ばせ、チームによい空気を作る人、だから可愛がられるの。日本だけでなく、アメリカの人まで喜ばせるんだからもう降参! テレビの前で頭を下げたくなるよね。
僕も若い頃に、大谷君と同じようにアメリカに行きたいと思ったことがあるの。チャップリンみたいになりたいと思ってね。先輩に相談したら、「アメリカが君を呼んでくれないと行けないよ。だからアメリカには世界中からすごい人が集まるんだ」って言われました。それで呼ばれるようにと頑張ったんだけどね、呼ばれなかった(笑)。
大谷君はアメリカに呼ばれて渡り、自分の夢を一つ一つ成し遂げていっているよね。まだ道半ばだと思うけど、若い頃の僕なんてかなわないと思う。だから気持ちよくファンとして見られるの。夢を自分のこんなに近くまで持ってくる人はいないよ。
ワールドシリーズの第2戦では左肩を亜脱臼しましたが、こういうこともあります。試合後にフリーマン選手が「俺がケガで悩んでいる時にチームが支えてくれた。同じように支える」と言ってくれたでしょ。それでよい結果になった。もしかして大谷君は肩が痛い芝居をしたんじゃないのかと思ったの。大先輩に打ってもらって、花を持たせる。それが大谷君。いい芝居だったよね(笑)。
今季はホームラン50本、50盗塁でしょ。サービスしすぎ。そんなに早くいろいろ達成しないで。することがなくなるよ! でも、楽しい1年でした。
83歳になった僕ですが、残りの人生はずっと、大谷君の活躍を見ていたいね。この世を去る最期に「大谷君、頑張ってよ」と言葉を残していくつもりです。
【プロフィール】
萩本欽一(はぎもと・きんいち)/1941年生まれ、東京都出身。コメディアン。「茨城ゴールデンゴールズ」創立者。
※週刊ポスト2024年11月22日号