スポーツ
大谷翔平「世界一の祝辞」

《ドジャース世界一》大谷翔平が愛読した『MAJOR』作者・満田拓也氏からの祝辞「年齢を重ねて二刀流とどう向き合うかが興味深い」「クローザー・大谷も見てみたい」

週刊少年サンデーの人気野球漫画『MAJOR』を愛読していたという大谷翔平(写真/AFLO)

週刊少年サンデーの人気野球漫画『MAJOR』を愛読していたという大谷翔平(写真/AFLO)

 ワールドシリーズを制覇したロサンゼルス・ドジャースの大谷翔平(30)は、二刀流をはじめとする野球界で前例のない活躍で「漫画のような男」と言われてきた。そんな大谷が愛読した漫画として取り上げられるのが、週刊少年サンデーの人気野球漫画『MAJOR』だ。作者の満田拓也氏(59)が本誌・週刊ポストのインタビューで、悲願の世界一を達成した大谷への祝福メッセージを寄せた。

 * * *
 大谷選手が革命的なのは、野球で見たことのないシーンを見せてくれることですよね。日本ハムファイターズで二刀流に挑戦した頃から、「やることが漫画みたい」ということはメディアで騒がれていて、『MAJOR』の愛読者という情報も言われていたのですが、僕ははっきりしたソースが分からない(笑)。少しでも読んでもらっていたら嬉しいですね。

 僕は昔から、素朴な疑問として「高校野球ではエースで4番がいるのに、なぜプロにはいないのか」と思っていて、『MAJOR』の主人公・茂野吾郎にも「オレが理想とする究極のプレーヤーは… 打って走って守れ── そして三振もとれるプロ野球選手さ!!」と言わせました。大谷選手も、野球のすべてを楽しみたい人だと思うんです。だから「漫画みたいな人」と言われてきたし、今年は投球も守備もできない代わりに「打つだけじゃなく、走ろう」と考えたんじゃないか。ピッチクロックとか、ルールの違いもあるので一概に比較はできませんが、盗塁でもイチロー選手のシーズン記録を抜きましたからね。

 ワールドシリーズでもヤンキースにプレッシャーを与え、成績以上の存在感を放ったのは間違いありません。とくに今回、大谷選手はジャッジ選手と一緒に「ワールドシリーズの顔」となっていた。プレッシャーや責任感を背負ったことで、チームに好影響を与えていたと思います。

 例えば、ポストシーズンを通して言えることですが、相手ベンチが警戒して、大谷選手の打席で左ピッチャーに継投する場面が多かった。すると、1番・大谷選手、2番・ベッツ選手の打席で3番のフリーマン選手が球筋を見極めることができますよね。ワールドシリーズ初戦のフリーマン選手のサヨナラ満塁ホームランも、直前の大谷選手の打順で左ピッチャーに交代していました。だから、大谷選手がフリーマン選手のMVP獲得に貢献した面もあると思うんですよ。

 来年はピッチャーもやると、1番を打つかも分からないし、ドジャースの起用法が楽しみですよね。また新しい大谷選手のスタイルが見られる。右肘の手術明けなので過度な期待はよくないかもしれないけど、二刀流でサイ・ヤング賞を期待してしまいます。

 それに31歳になるシーズンなので、年齢とキャリアを重ねて二刀流とどう向き合っていくかも興味深いですね。『MAJOR』と関連付けて言うと、僕は吾郎に、MLBでクローザーをやらせているんですよ。その意味では、「クローザー・大谷」も見てみたい。もちろん先発ピッチャーがいちばんの花形ですが、8回までDHで打席に立って、9回からクローザーとしてマウンドに上がるとしたら、右肘への負担が減るかもしれない。その場合、どうやって準備するんだろう、と想像しますね。WBCのようにDHを解除して登板する姿を、シーズンでも見せてほしい。そんな野球選手、これまでに見たことないじゃないですか。

【プロフィール】
満田拓也(みつだ・たくや)/1965年生まれ、1982年漫画家デビュー。1994年に「週刊少年サンデー」で『MAJOR』の連載を開始し、現在は同誌で『MAJOR 2nd』を連載中。

※週刊ポスト2024年11月22日号

関連キーワード

関連記事

トピックス

歌舞伎俳優の中村芝翫と嫁の三田寛子(右写真/産経新聞社)
《中村芝翫が約900日ぶりに自宅に戻る》三田寛子、“夫の愛人”とのバトルに勝利 芝翫は“未練たらたら”でも松竹の激怒が決定打に
女性セブン
胴回りにコルセットを巻いて病院に到着した豊川悦司(2024年11月中旬)
《鎮痛剤も効かないほど…》豊川悦司、腰痛悪化で極秘手術 現在は家族のもとでリハビリ生活「愛娘との時間を充実させたい」父親としての思いも
女性セブン
ストリップ界において老舗
【天満ストリップ摘発】「踊り子のことを大事にしてくれた」劇場で踊っていたストリッパーが語る評判 常連客は「大阪万博前のイジメじゃないか」
NEWSポストセブン
紅白初出場のNumber_i
Number_iが紅白出場「去年は見る側だったので」記者会見で見せた笑顔 “経験者”として現場を盛り上げる
女性セブン
弔問を終え、三笠宮邸をあとにされる美智子さま(2024年11月)
《上皇さまと約束の地へ》美智子さま、寝たきり危機から奇跡の再起 胸中にあるのは38年前に成し遂げられなかった「韓国訪問」へのお気持ちか
女性セブン
野外で下着や胸を露出させる動画を投稿している女性(Xより)
《おっpいを出しちゃう女子大生現る》女性インフルエンサーの相次ぐ下着などの露出投稿、意外と難しい“公然わいせつ”の落とし穴
NEWSポストセブン
田村瑠奈被告。父・修被告が洗面所で目の当たりにしたものとは
《東リベを何度も見て大泣き》田村瑠奈被告が「一番好きだったアニメキャラ」を父・田村修被告がいきなり説明、その意図は【ススキノ事件公判】
NEWSポストセブン
結婚を発表した高畑充希 と岡田将生
岡田将生&高畑充希の“猛烈スピード婚”の裏側 松坂桃李&戸田恵梨香を見て結婚願望が強くなった岡田「相手は仕事を理解してくれる同業者がいい」
女性セブン
電撃退団が大きな話題を呼んだ畠山氏。再びSNSで大きな話題に(時事通信社)
《大量の本人グッズをメルカリ出品疑惑》ヤクルト電撃退団の畠山和洋氏に「真相」を直撃「出てますよね、僕じゃないです」なかには中村悠平や内川聖一のサイン入りバットも…
NEWSポストセブン
注目集まる愛子さま着用のブローチ(時事通信フォト)
《愛子さま着用のブローチが完売》ミキモトのジュエリーに宿る「上皇后さまから受け継いだ伝統」
週刊ポスト
イギリス人女性はめげずにキャンペーンを続けている(SNSより)
《100人以上の大学生と寝た》「タダで行為できます」過激投稿のイギリス人女性(25)、今度はフィジーに入国するも強制送還へ 同国・副首相が声明を出す事態に発展
NEWSポストセブン
連日大盛況の九州場所。土俵周りで花を添える観客にも注目が(写真・JMPA)
九州場所「溜席の着物美人」とともに15日間皆勤の「ワンピース女性」 本人が明かす力士の浴衣地で洋服をつくる理由「同じものは一場所で二度着ることはない」
NEWSポストセブン