20時すぎに家政婦のTさんが帰宅した後は、被告はTさんと1階でテレビを見て過ごした。そして22時半過ぎ、野崎さんの部屋に行った被告が、野崎さんの異常を感知することとなった。当時の様子について、須藤被告は初めて克明に証言した。
〈22時より後、Tさんと喋っていました。22時半ごろ、野崎さんの部屋に充電器を取りに行きました。部屋に入ると、社長が座っていました。そのまま部屋の奥にある充電器を取りに行こうと、(野崎さんの横を)通り過ぎるあたりに『まだ起きてたの?』と声をかけても、返事がなかった。それで顔を見たら、“ろう人形”みたいになっていた。その後、下に降りて、Tさんと2階に上がった〉(須藤被告の主張内容)
そして、野崎さんは急性覚醒剤中毒で死亡した。須藤被告の犯人性はいかに——後編記事では、須藤被告が新たに証言した「野崎さんに覚醒剤購入を依頼された」という内容について、検察側と被告が真っ向対立したやり取りについて詳報する。
(後編につづく)