早々に「年間女王」を決めた女子ゴルフの竹田麗央(21)。4月の初優勝から一気に頂点へ駆け上がったが、この少し前には大一番で千載一遇のチャンスをモノにしていた。女子ゴルフの日米女子ツアー共催「TOTOジャパンクラシック」で米ツアー初優勝。この勝利によって2年間の米女子ツアー(LPGA)のシード権を獲得した。
「竹田は来年の米ツアー挑戦を目指して12月に開催される予選会(通称・Qシリーズ)を受験予定でした。それが免除になり、2年間のシード権獲得。いきなりフル参戦できることになったのは準備の面においても大きい」(ツアー関係者)
竹田はまだプロ3年目だが今季は8勝を上げた。日本ツアーの女王として来季は満を持して米ツアーに乗り込むが、簡単な道のりではない。
「昨年、元賞金女王の稲見萌寧(25)が同じ大会で優勝しシード権を獲得。今季から米ツアーに挑戦していますが大苦戦。シード圏外でもがいています。今回の『TOTO』は米国のトッププロの参加が少なかったので、竹田がどこまで通用するか」(同前)
国内では無双状態の竹田に死角はあるのか。プロゴルファーの沼沢聖一氏が語る。
「課題はティーショットの『フェアウェイキープ率』でしょうね。国内ツアーで飛距離は1位だが、フェアウェイキープは60%で76位。飛ぶから仕方ないですが、米ツアーは芝の質も日本と違うためラフに入れると苦しい。
向こうはコースごとに形状も傾斜もまったく違います。竹田はアプローチが上手いですが、色々な場面に対応するために引き出しを増やす必要が出てくるはずです」
最大の難敵は環境の違いにあるという。
「米ツアーは移動も長距離ですから、まずは向こうの生活に慣れることが大変。稲見は体調を崩してしまい、自分のゴルフができずに苦労した。竹田はコーチであり母親の哲子さんが同行するので食事面などでサポートしてもらえるはず。飛距離は外国人選手を置き去りにするパワーがあるので楽しみです」(同前)
二人三脚で乗り込む。
※週刊ポスト2024年11月22日号