六代目山口組の“テーマソング”
レポートとともに掲載されている写真からも内部の様子が窺える。司組長の後ろには若中、舎弟から贈られた紅白の胡蝶蘭が並び、前にはテーブルを埋め尽くすほどの食事が置かれている。
確認できる限りで、寿司、複数の小鉢、メロン、ぶどうなどのフルーツ盛り合わせ、ワイン、ビール瓶、日本酒瓶がところ狭しと並んでいる。別のテーブルには大きな鯛が横たわる。赤、金、白、黒、ピンク色の巨大なキャンドルも7本確認でき、装飾品にもこだわりがあることがわかる。胡蝶蘭は大広間の外とみられるスペースにも多数並べられていた。
余興は例年、司組長、直参組長によるカラオケ大会が定番だが、この年は喜寿ということで複数のマジシャンによるマジック披露を挟んでからカラオケに移行。2017年から採点制度が導入されたとのことで、高得点者には司組長からの豪華賞品が用意されている。直参組長らは何の曲を歌うのだろうか。
「例年、締めの曲は司組長を題材にして作られたことで“六代目山口組のテーマソング”として知られる『任侠一筋』ですが、ほかの参加者が何を歌うかは例年違う。
記者や警察は会場内に入れないため、漏れ聞こえてくる音楽を聞きながら『あ、今年はこの曲歌っているのか』と話のネタにしている。演歌が多いが、その年話題になったヒットソングを歌う参加者もいた」(前出・実話誌記者)
この年は〈「フーテンの寅さん」を自身の替え歌にして歌われ皆の笑いを呼び込みました〉とあるため、ある幹部(当時)は渥美清の『男はつらいよ』を熱唱したとみられる。司組長が歌った曲については言及がないが、〈唄われた後俺の点数も公平にしろよと言われていた〉ということでガチンコ勝負だったようだ。
前出・実話誌記者の指摘通り、トリはこの年も『任侠一筋』。その後、高得点で入賞した参加者には司組長から目録が渡され、一本締めで閉会となったという。
「司組長の誕生日会は新年会も兼ねていて、山口組は年末年始に多くの催しを開きます。ただ、総本部の使用禁止、『特定抗争指定』を受けた地域では組員5人以上で集まれないなど制約も多い。
さらに分裂抗争が長期化し、水面下での動きが増えていることもあり、警察もこうした行事で逮捕の口実を探すようになった(2022年12月の餅つきでは、プロパンガス容器の運搬方法が不正だったとして事務局長が逮捕されている)。分裂抗争が終わらない限り、ここまで大がかりな誕生日会は開催しづらいのではないか」(実話誌記者)
はたして来年1月の誕生日会レポートはどういった内容になるのか。