恐らく石破氏は「自分には歴史的使命がある」という強い信念を抱いている。そしてそれは、同じプロテスタントであるトランプ氏とも相通じる内在的論理であるはずだ。
新聞やテレビのコメンテーターは両者の相性に懐疑的だが、来る2人の面会の際に、石破氏が「トランプ版聖書」を携えて「この本にサインしてくれ」などと囁いたら、両者の間にある壁は一気に瓦解するだろう。
キリスト教という共通の「OS」を持つ日米首脳が打ち解けて手を取り合う可能性は、意外に高いと私は見ている。
【プロフィール】
佐藤優(さとう・まさる)/1960年、東京都生まれ。作家・元外務省主任分析官。同志社大学大学院神学研究科修了後、外務省入省。在露日本国大使館などを経て外務省国際情報局に勤務。現在は作家として活動。近著に『賢人たちのインテリジェンス』 (ポプラ新書)などがある。
※週刊ポスト2024年11月29日号