女性の格好で「全身ツルツルにしたい」
スタッフが一対一で施術に入り、デリケートな部分の素肌を触ることになる脱毛サロンでは、同様の被害が珍しくないようだ。別の脱毛サロンで店長を務めるOさん(29歳/女性)は「以前は男性の脱毛もやっていましたが、“事件”があって、やめました」と明かす。
「女性の格好をして、『美容にも興味があり、とにかく全身の毛をツルツルにしたい』とのことで、VIO(デリケートゾーン)脱毛に来られた男性のお客様がいました。いざ施術を始めると、どうしてもお客様の局部が反応してしまう。男性の生理現象ですし、こちらは仕事なので正直なんとも思いません。気を逸らすようなトークを振るなどしたのですが、その方は常にこちらの反応をニヤニヤ伺っていて、ある時果ててしまったんです」
もちろんそれも男性の生理現象といえばそれまでだ。だが、Oさんは「出禁」措置をとった。
「そういったことが起きた場合、謝る方がほとんどで、こちらも淡々と対処します。でもその男性は掃除をするスタッフをずっと薄ら笑いで眺めていた。サロンにもよると思いますし、美容クリニックのような、男性スタッフがいるところは別として、ウチのサロンは小規模で常時女性スタッフが数人しかいない。これまでLGBTのお客様もいらっしゃいましたし、精一杯男性のお客様の悩みに向き合ってきたつもりですが、何かあってからでは遅い。他の言動も総合的に勘案し、お断りを申し入れました。
また、ウチ以外にも男性の脱毛をやってくれるところはたくさんあるので、それ以降新規の男性客を受け付けないことにし、現在、お客様は女性の方のみです」(Oさん)
客という立場を利用した迷惑行為により、サービス縮小という判断に追い込まれるケースは珍しくないのかもしれない。
(前編から読む)