国内

《斎藤元彦知事の公職選挙法問題》元刑事が語る公職選挙法違反の捜査と取り調べ「徹底した張り込みや尾行」「調べる時は議員バッジを外させた」

全国知事会議に出席後、報道陣の取材に応じる兵庫県の斎藤元彦知事(中央)。11月25日(時事通信フォト)

全国知事会議に出席後、報道陣の取材に応じる兵庫県の斎藤元彦知事(中央)。11月25日(時事通信フォト)

 警察や軍関係、暴力団組織などの内部事情に詳しい人物、通称・ブラックテリア氏が、関係者の証言から得た驚くべき真実を明かすシリーズ。今回は、兵庫県知事選挙でのSNS運用をめぐり、話題になっている公職選挙法違反の捜査と取り調べについて。

 * * *
 SNS選挙戦と呼ばれた兵庫県知事選挙を勝ち抜き、知事に返り咲いた斎藤元彦知事に浮上した公職選挙法違反疑惑。SNS上に流された陰謀説なども追い風となって支持者が激増、当選したはずだったが、思わぬ所に刺客がいたのか。

 兵庫県内のPR会社「株式会社merchu」の折田楓代表が、”note”で「兵庫県知事選挙における戦略的広報:『#さいとう元知事がんばれ』を『#さいとう元彦知事がんばれ』に」というタイトルの記事を公開。そこで「広報全般を任せていただいた」と書いた。有償なら公選法に抵触する可能性があり、無償でも贈収賄の可能性があるという。本人は会社や自信の実績としてPRしたつもりだろうが、クライアントの情報を自ら公開するなど広報のプロとしてはあるまじき行為。斎藤知事側は契約書もかわしていなかったという。コミュニケーション不足なのか、リスク管理の甘さなのか、斎藤知事を巡って起きる事案はどれも類似している。

「嫌疑のかかった相手が、こうやって自ら素直に情報を公開してくれるなら、これほど楽なことはない。恨みや妬みがあれば別だが、地元議員の疑惑だと忖度やら縁故やら様々な事情が入り混じり、そう簡単に口を開いてくれる者はいない」というのは、贈収賄事件など知能犯を担当してきた元刑事だ。議員の汚職を暴くには膨大な時間と手間がかかるという。「情報を掴むと、その議員を最低でも半年あまり追いかけることになる」。疑惑の立件に向け証拠を固めるため、対象を尾行するのだ。

「例えば贈収賄だと、半年近くはずーっと対象を見続けることになる。どこかの店に入れば、後について入り、近くの席に座る。入れないような店では、その周辺で張り込む。対象が誰と会って、どこで飲み食いしているか。誰が飲み代を支払っているのか。金や物品の受け渡しはあるのかなどをチェックする。公職選挙法が改正されたことで、昔は現金の受け渡しがなければ逮捕できなかったが、今は飲み食いが重なり、その飲み代を奢られることが重なれば捕まえることができるようになった」(元刑事)。後援団体や関係会社などから政治家への寄付は禁止。かつてどこの選挙事務所でも恒例のように選挙ボランティアに寿司を振舞っていたが、これも法改正で違反になる。当時経済産業相だった菅原一秀氏は、選挙区内の有権者にメロンやカニを贈っていたことが発覚し辞職している。このため以前にもまして、尾行や張込みが重要だという。

関連記事

トピックス

第1子を出産した真美子さんと大谷(/時事通信フォト)
《母と2人で異国の子育て》真美子さんを支える「幼少期から大好きだったディズニーソング」…セーラームーン並みにテンションがアガる好きな曲「大谷に“布教”したんじゃ?」
NEWSポストセブン
俳優・北村総一朗さん
《今年90歳の『踊る大捜査線』湾岸署署長》俳優・北村総一朗が語った22歳年下夫人への感謝「人生最大の不幸が戦争体験なら、人生最大の幸せは妻と出会ったこと」
NEWSポストセブン
コムズ被告主催のパーティーにはジャスティン・ビーバーも参加していた(Getty Images)
《米セレブの性パーティー“フリーク・オフ”に新展開》“シャスティン・ビーバー被害者説”を関係者が否定、〈まるで40代〉に激変も口を閉ざしていたワケ【ディディ事件】
NEWSポストセブン
漫才賞レース『THE SECOND』で躍動(c)フジテレビ
「お、お、おさむちゃんでーす!」漫才ブームから40年超で再爆発「ザ・ぼんち」の凄さ ノンスタ石田「名前を言っただけで笑いを取れる芸人なんて他にどれだけいます?」
週刊ポスト
違法薬物を所持したとして不動産投資会社「レーサム」の創業者で元会長の田中剛容疑者と職業不詳・奥本美穂容疑者(32)が逮捕された(左・Instagramより)
「よだれを垂らして普通の状態ではなかった」レーサム創業者“薬物漬け性パーティー”が露呈した「緊迫の瞬間」〈田中剛容疑者、奥本美穂容疑者、小西木菜容疑者が逮捕〉
NEWSポストセブン
1泊2日の日程で石川県七尾市と志賀町をご訪問(2025年5月19日、撮影/JMPA)
《1泊2日で石川県へ》愛子さま、被災地ご訪問はパンツルック 「ホワイト」と「ブラック」の使い分けで見せた2つの大人コーデ
NEWSポストセブン
大阪・関西万博で「虫が大量発生」という新たなトラブルが勃発(写真/読者提供)
《万博で「虫」大量発生…正体は》「キャー!」関西万博に響いた若い女性の悲鳴、専門家が解説する「一度羽化したユスリカの早期駆除は現実的でない」
NEWSポストセブン
違法薬物を所持したとして不動産投資会社「レーサム」の創業者で元会長の田中剛容疑者と職業不詳・奥本美穂容疑者(32)が逮捕された(左・Instagramより)
《美女をあてがうスカウトの“恐ろしい手練手管”》有名国立大学に通う小西木菜容疑者(21)が“薬物漬けパーティー”に堕ちるまで〈レーサム創業者・田中剛容疑者、奥本美穂容疑者と逮捕〉
NEWSポストセブン
江夏豊氏が認める歴代阪神の名投手は誰か
江夏豊氏が選出する「歴代阪神の名投手10人」 レジェンドから個性派まで…甲子園のヤジに潰されなかった“なにくそという気概”を持った男たち
週刊ポスト
キャンパスライフを楽しむ悠仁さま(時事通信フォト)
悠仁さま、筑波大学で“バドミントンサークルに加入”情報、100人以上所属の大規模なサークルか 「皇室といえばテニス」のイメージが強いなか「異なる競技を自ら選ばれたそうです」と宮内庁担当記者
週刊ポスト
前田健太と早穂夫人(共同通信社)
《私は帰国することになりました》前田健太投手が米国残留を決断…別居中の元女子アナ妻がインスタで明かしていた「夫婦関係」
NEWSポストセブン
子役としても活躍する長男・崇徳くんとの2ショット(事務所提供)
《山田まりやが明かした別居の真相》「紙切れの契約に縛られず、もっと自由でいられるようになるべき」40代で決断した“円満別居”、始めた「シングルマザー支援事業」
NEWSポストセブン