「LINEグループからは退会しておいてくださいね」
投開票日前日となる26日の活動が終わると、10人ほどの男女のスタッフが田淵容疑者のクリニックに集まり、打ち上げを行ったという。A子さんは戻ってきた田淵容疑者の第一声に、耳を疑った。
「『皆さん、選挙のLINEグループからは退会しておいてくださいね』と最初に言われ、全体に不穏な空気が漂い始めました。その時点で約束の“バイト代”をもらっていなかったのですが、あるスタッフがいつ頃支払われるか聞くと、田淵先生は口ごもる。すると小林さんがフォローするかのように『たぶん年明けとかになるかもね。絶対に払われるから安心して』と言っていました。結局お金は振り込まれていません。
打ち上げの途中で、『クリニックの前に警察の人がいる』と話が入ると、皆慌てふためいていました」(同前)
選挙活動以外にも、田淵氏の言動に気になることがあったという。
「選挙活動のためにクリニックに訪れるたびに、『コロナの検査をします』と言われて唾液採取などの検査をされ、勝手にカルテを書かれました。『コロナ診療って自費診療ですか?』と聞くと、『お金は大丈夫』と言われましたが、なぜ毎回検査をされるのか、不審に思っていた」(同前)
A子さんは「闇バイトに参加してしまった気分です。もう二度とこんなことはしません」と後悔を口にした。警察はスタッフに対しても任意の調査を続けている。
(了。前編から読む)