11月29日、秋田県秋田市内のスーパーマーケット『いとく土崎みなと店』の店内に雌グマが現れ、男性従業員を襲う騒動が起きた。2日間以上も店内に居座ったクマは最終的に県警が設置した箱ワナにかかり、麻酔をかけられたのちに電気で殺処分された。
事態はひと安心かと思われた矢先、クマが駆除された当日中にも、被害のあった場所から約800メートル離れた図書館の敷地内においてクマが出没したとの情報が県に寄せられており、県内では今も警戒状態が続いている。
“立てこもり騒動”を受けて、SNS上などで話題となっているのがクマの駆除に関する「苦情」だ。秋田市の農地森林整備課によると、12月4日16時までに市に寄せられた119件にのぼる電話やメールのうち、半数ほどが「(クマを)遠くの山に逃して」「なぜ殺処分するのか」といったクレームだということがわかっている。
クマの殺処分をめぐっては過去にも、“過度な苦情”が取り沙汰されることがあった。
「秋田県では昨年10月にも野生のツキノワグマ3頭が同県美郷町内の小屋に立てこもり、地元の猟友会が駆除を行っています。これを受け県や町に対して、主に県外の人間から抗議の電話や問い合わせが殺到し、職員の通常業務に支障をきたす日もあったといいます。
なかには“カスハラ”ともとれるような乱暴な内容のクレームや無言電話などもあったそうで、同月23日の記者会見では県知事の佐竹氏が『仕事ができません、業務妨害です』と発言する場面もありました」(地方紙記者)
今回の騒動においても、苦情の大半が県外の都市部などに住む人らから寄せられているという。前出・農地森林整備課の担当者がこう明かす。
「動物愛護団体や、その会員だと名乗る人からのご意見も多く寄せられています。(身元を)答えてくださる方のなかには県外の方が多いですね。なかには九州ですとか、クマが出ないようなところの方からも(苦情を)いただいたりして……。こちらとしてはそういった方たちからのご意見もお受けするしかないんです」