「今の日本の息苦しさを救ってくれるのは、さとりいぬのネガティブパワーです!」
フジテレビが運営する『めざましmedia』で、11月に衝撃的なアニメシリーズが配信スタートした(YouTubeチャンネル『めざましmedia』で視聴可能)。さも悟ったようなことを言う犬を主人公にした『さとりいぬ』(原作・ザビエル山田)だ。ほかの登場人物も、猫やタヌキなどすべて動物である。
その魅力と可能性を熱く語るのは、マンガ編集担当の信田朋嗣さん。FODで、漫画コンテンツの企画を全般的に手掛けている。
「昔からザビエル山田さんの四コマが大好きでした。ギクッとさせるシニカルな視点、人間の心理の裏側をわざわざめくる作風は、ほかの誰にも真似できません」
現在は、12本のショートアニメが公開されている。たとえば「正体」というタイトルの作品では、河原にさとりいぬと猫の「みけやま」が並んで座っている。みけやまが川に小石を投げながら「僕、司法浪人って名乗ってるけど、司法浪人ということで世間体を保っているニートなんです。それがバレて彼女に逃げられました」と語る。
それに対してさとりいぬが「当然でしょ。そうとう問題あると思いますよ」とクールに答えると、みけやまは我が意を得たりと「ですよね。中身を見ないで肩書で判断するなんて」と彼女を非難。その途端、さとりいぬは「お前に言ってんだよ!」とねこやまを怒鳴りつける。都合のいい自己正当化の欺瞞を容赦なく突くところが、まさにザビエル節だ。