「真人間になろうと誓った」
当時20代だった容疑者を厳しく監視していたのはなぜだったのか。すでに亡くなっている両親の思いを、今は知ることはできないが、かつての容疑者を知る同級生に接触した。幼稚園から中学校まで同じだったというAさんは幼い頃の勝田容疑者を「承認欲求の塊でした」と振り返る。
「『認められたい、褒められたい』という感情をグイグイ前に出すタイプで、授業中の発表でも、本を読んで覚えたような難しい言葉を使ってみたり、偉そうに物を言ったりと、煙たがられるタイプでした」(Aさん、以下同)
また「思い出すことのひとつに、難しい言葉を使いたがるところがあった」と、小学生時代の道徳授業での一幕を語ってくれた。
その授業の日は“母親と交わしたお手伝いの約束をすっぽかして遊びに行った少年が帰宅すると、自分がやるべきだったお手伝いを母親が全てやってしまっていた”というテーマで話し合いが行なわれていた。
先生が「この時少年はどう思ったか」と教室で問いかけた時、手を挙げたのが勝田容疑者だったという。彼は「良いこと言って良いですか?」と前置きしたうえで「少年は反省し、真人間になろうと誓ったと思います」と発表したのだそうだ。
「『真人間になる』なんて、大きな罪を犯した人間が立ち直るために使う言葉ですが、彼が今『真人間』になろうとして犯罪を自供したのなら、彼を応援したいです」(Aさん)
再逮捕後、勝田容疑者は黙秘している。
※週刊ポスト2024年12月20日号