「ですが膀胱全摘手術は、前立腺や精嚢、勃起神経なども摘出するため、男性機能を失うことになります。小倉さんは当時68才でしたが、“男としての未練”が勝り全摘を躊躇したんです。全摘を拒んだこの2年半が、その後の転移を招いたと考えていたようです」(前出・芸能関係者)
土庫病院の消化器・肛門病センター、横尾貴史医師が解説する。
「QOLが低下するんじゃないか、という不安から、膀胱を全摘して人工膀胱や回腸導管にしたり、直腸がんであれば人工肛門になることを避けたいと希望する患者さんは多くいます。実際にはスポーツもできれば温泉にも入れますし、制限なく日常生活を送っているかたは多いのですが、そう説明しても受け入れられないケースはあります」
そのときの後悔が、小倉さんの心にはずっと残っていたのだろう。
※女性セブン2025年1月1日号