サザン、スピッツ、DEEN、長渕…
「このあたりの大御所歌手はヤクザのカラオケ大会では誰かが必ず歌う“定番曲”。鳥羽一郎は特にファンが多く、この会では当時若頭補佐だった現神戸山口組の井上邦雄組長も『宝来船祭り』を歌っている。この日は司組長は歌わなかったが、山口組側はバリエーションに富んだ歌を披露していた。男性歌手が続くなか、大津美子の『銀座の蝶』を披露する人もいれば、締めはまさかのサザン(オールスターズ)。『愛と欲望の日々』の“過激な歌詞”で参加者は大盛り上がりだった」(同前)
どうしても演歌や昭和の名曲が多い印象を抱いてしまうが、必ずしもそうとは言い切れないようだ。
「J-POP全盛期の1980〜1990年代の曲も多いですね。ある有名暴力団の幹部はCHAGE &ASKAの『SAY YES』とスピッツの『ロビンソン』が持ち歌です。バブル期でヤクザも日本も元気だったからでしょう。
分裂した神戸山口組でもカラオケが催されたことがあるが、DEEN最大のヒットソングで結婚式でも歌われることも多い『このまま君だけを奪い去りたい』や長渕剛の『CLOSE YOUR EYES』『HOLD YOUR LAST CHANCE』が歌われました。
ここ近年、世間ではアニメタイアップ曲が流行することが多いですが、こうした曲を知っているヤクザも少なくない」(前出・実話誌記者)
流行には敏感でないとヤクザも務まらないということだろうか。