──確かにそうですね。“イッテQファミリー”として手越さんの復帰を嬉しく思う一方、自分がその場にいないことへの悔しさのようなものはありましたか。
「もちろん、あります。心の底から『おめでとう!』と喜んでいる気持ちと一緒に、『あ~、悔しい!』という気持ちも同じぐらいありました。実は最近まで、『イッテQ』をまともに見られなかったんです。見ているとモヤモヤしちゃって。
“いつまでも囚われていちゃダメだ”“忘れて前を見よう”と思っていたんですけど、実はずっと僕のなかに『イッテQ』はあったんですよね。それぐらいに、僕にとっては大きな存在だということを、手越くんの姿を見ながら痛感させられました」
──『イッテQ』への初登場は、2009年9月20日の放送。当時の武井さんはほぼ無名の駆け出し芸人のような状態でしたが、どのような経緯で出演が決まったんでしょうか。
「“第2のイモトアヤコを発掘しよう”という主旨のオーディションに参加したんですが、実はその頃、もう芸人を辞めようと思っていたんです。20歳から芸人として活動してきて、当時の僕は29歳。『爆笑オンエアバトル』(NHK)や『爆笑レッドカーペット』(フジテレビ系)、『エンタの神様』(日本テレビ系)などにも何回か出させてもらったんですけど、ブレイクするまでには至りませんでした。もう限界かなと思っていました」
──その頃は、コンビを組まれていたんですよね。
「結果的に僕ひとりでの出演になりましたが、オーディションの時は『ヴィンテージ』というコンビで受けました。相方(現、ナナフシギ・大赤見ノヴ)には『これで落ちたら、もう辞めるから』と伝えて臨んだんです。いい意味で、吹っ切れていたのかもしれません。開き直ってオーディションでボケ倒し暴れ倒したら、それがめちゃくちゃハマって(笑)」