フリーアナウンサーの小倉智昭さんが、12月9日、膀胱がんのため死去した。77歳だった。2016年に膀胱がんを患って以降がんと向き合った小倉智昭さんは、メディアで闘病生活を明かす際に「死の準備ができるから、がんでよかった」と口にしてきた。死に直面したとき、小倉さんは残された時間をどう過ごしたのだろうか──。
小倉さんが当時まだ珍しかった「フリーアナウンサー」になったのは1976年、29才のときだった。『とくダネ!』(フジテレビ系)では1999年から2021年まで総合司会に座り、同一司会者による全国ネットの情報番組としての最多放送回数を記録し、長らく朝の顔を務めた。司会業から離れても、亡くなる直前までテレビ出演や講演活動などに勤しみ、仕事に邁進した。
一方で、小倉さんは自身のがん闘病をあますことなく発信し続けた。
《健康で長生きするために、病気のことを学ぶことはすごく大切だと思います。(中略)僕の発信が、ほんの1ミリでもお役に立てばと思っています》(『Voice』2022年10月17日配信)
そう語っていた通り、小倉さんは気力と体力のある限り講演活動を行い、がんの啓蒙を続けてきた。