近年、食品の「異物混入」がSNSで拡散されることで、騒動になる事例が増えている。直近で、SNSのなかで物議を醸したのが、11月に写真付きで投稿された、このような発信だった。
〈まじでだいすきで週3たべてたけどもうトラウマでたべれん みんなも気をつけて〉
〈楊国福 銀座店の麻辣湯に幼虫混入 キモすぎガチで声出た〉
添付された写真には、麻辣湯のスープに白く小さい幼虫が何匹も浮いている様子が写っていた(現在は削除済み)。中国発の飲食チェーンである「楊国福マーラータン」は、唐辛子や花椒をはじめとするスパイシーなスープが特徴的な「マーラータン(麻辣湯)」の専門店。全世界で7000軒以上を展開するグローバルチェーンで、都内だけでも渋谷や池袋、銀座や吉祥寺など多数出店している。
そんな大人気店だが、銀座店だけでなく他店舗の口コミでも衛生面に苦言を呈す書き込みが多数見られる。上野店では〈具材を入れるボールに虫が付いていた〉、池袋東口店では〈スープの中にウジ虫が1匹入っていました、非常にショッキングです〉といった具合だ。この疑惑は本当なのか──。本誌・週刊ポストの記者は実際に銀座店へ足を運び、店員に話を聞いた。
店を訪れると大繁盛
有楽町駅から徒歩で10分ほどに位置する銀座店。モダンな外観に明るい照明が印象的。客やフードデリバリーの配達員がひっきりなしに出入りし、平日であるにもかかわらず店は大繁盛。
同店では、入店と同時に大きなどんぶりを手にし、そこに野菜、海鮮、肉などを自由に入れる。肉も野菜も同じ重さなら同じ値段で最終的には「グラム数」で値段が決まる仕組みだ。自分の好きな具材を取った後、レジで麺とスープの種類を決める。今回は一番人気のものを注文。着席してから5分程度で料理が運ばれてきたが、そのスープの中には異物は見られなかった。