有罪判決が確定すれば、李氏は被選挙権を剥奪され、仮にこの先弾劾訴追が可決されても次の大統領選に出馬することはできない。韓国政界に精通する大韓金融新聞東京支局長の金賢氏が言う。
「与党・国民の力は最高裁で李氏の有罪判決が出るまで政権を延命させて時間稼ぎする狙いでしょう。逆に、李氏からすれば、なんとしても有罪判決前に尹氏を引きずりおろし、大統領選を行なわなければならない。
次期大統領候補として最も高い支持率を誇る李氏は、出馬さえできればまず当選する。そうなれば大統領の不逮捕特権により内乱罪を除いて司直の手を免れることができる。今後も弾劾訴追を連発すると表明しているのも、彼なりの焦りの表われだと見られています」
仮に李氏が次期大統領になると、尹政権で改善した日韓関係は再び冷え込むことになる。
「李氏は徹底的な反日・親北派の政治家です。尹氏の政策を『日本に擦り寄る屈辱外交』だと断じ、福島第一原発の処理水を『核汚染水』と呼んだ。来年は日韓国交正常化60周年ですが、李氏が大統領になれば融和ムードは吹き飛ぶでしょう」(金氏)
魑魅魍魎だらけの韓国政界。苛烈な抗争はまだ続きそうだ。
※週刊ポスト2024年12月27日号