坂本勇人よ、鍛え直せ!
江本:それよりもっと問題なのがサードの坂本ですよ。どうにかしないと、来季はもっと衰える。
中畑:坂本(勇人)は勤続疲労だと思うけどな。36歳になって、体の弱さを感じさせる凡退の仕方が気になるんだよな。これまで坂本にあった芯の強さがなくなった。現役の最終盤にはそれまで飛びついて捕れたものがキャッチできなくなる感覚があるけど、彼もそんな領域に入ってきたのかもしれない。
江本:もう一回走って鍛え直すべきだな。
達川:それしかないですね。江本さんや中畑さんの時代は、歳を取ったらみんなスタンスを狭くしてクルッと回るように打っていた。山本浩二さんや田淵幸一さんもそうでした。
中畑:バッティングには年相応の誤魔化し方があるんです。ただ、坂本の場合は実績があるだけに、コーチが何も言えないという現実もあるよね。
達川:坂本は人間的にいい奴だから使い続けてほしいんです。坂本は西川のマットレスのCMに出ていて、彼に連絡したらマットレスを安く買えたんです。だから本当は言いたくても、坂本の悪口だけは言えません(笑)。
(第3回へ続く)
【プロフィール】
江本孟紀(えもと・たけのり)/1947年、高知県生まれ。1971年に東映入団。1972年に南海に移籍しエースとして活躍。1976年に阪神に移籍し、1981年の引退後は参議院議員、タレントとしても活躍。近著に『ミスタードラゴンズの失敗』(扶桑社)
中畑清(なかはた・きよし)/1954年、福島県生まれ。1976年に巨人入団。ムードメーカーの「絶好調男」としてチームを引っ張った。引退後は2012~2015年にDeNAの監督を務めた。現在は巨人OB会の会長を担っている
達川光男(たつかわ・みつお)/1955年、広島県生まれ。1978年、広島に入団し正捕手として活躍。引退後は広島監督や阪神などでコーチを務め、ソフトバンクでヘッドコーチとして日本一を経験した
※週刊ポスト2024年12月27日号