2~3か月で本格的な投球を再開できる?
実際に大谷はいつ、二刀流として復活できるのか。大谷が受けた「関節唇損傷修復手術」について、日本整形外科学会認定スポーツ医で、古川整形外科医院(京都・宇治市)院長の古川泰三・医師は、こう話す。
「関節唇とは肩甲骨と上腕骨のつなぎ目を安定させるために関節を縁取る組織。パッキンのような役割をするが、これが衝撃によって壊れてしまった。傷ついた関節唇は自然に元通りにならないため、小さな穴から挿入した関節鏡(高性能カメラ内蔵の内視鏡)で断裂部位を縫い合わせる。初回脱臼で手術をすることは少ないが、初回脱臼であっても手術を選択されるべきとの報告もあり、今後の不安払拭のためにも手術したのでしょう」
大谷は12月9日の共同会見で、「まだバットは振れていないが、キャッチボールは再開して70マイル(約113キロ)を計測した。現在は肩の可動域を元に戻す作業をやっている」と話した。
「左肩は右投げの大谷選手にとってバランスを取る側の肩。本格的に投球を再開できるまであと最低2~3か月かかるのではないか。投げる側の肩なら半年以上はかかったでしょう。投球動作では、振りかぶった時に肘関節が後ろにいくことで、上腕骨頭が肩甲骨に対し前に押し出されて関節唇に負荷がかかりやすい。投球のリハビリには少し時間を要するでしょうが、打撃は可動域さえ戻れば支障はないでしょう」(古川医師)
一緒にNBAの試合を生観戦するなど、オフの大谷の隣にいつも寄り添う真美子夫人の献身的なサポートもあるだろう。元アスリートだけに真美子夫人も大谷の左肩は心配なはずだが、春には二刀流の大谷の復活が十分に期待できそうだ。
※週刊ポスト2025年1月3・10日号