南海トラフ地震も警戒
■北海道・青森警戒ゾーン
12月上旬から中旬にかけて、北海道東方沖や十勝地方中部、根室地方北部などで小規模の地震が相次いで発生している。
「長期的な『隆起・沈降』では、根室半島から釧路を含む広い範囲が大きく沈降し、周囲との境目に歪みが溜まっていると考えられます。青森県の地表は東北ではなく、道央・道南の地表と連関して動く傾向があるため、青森も注意が必要です」
■九州・四国警戒ゾーン
この地域では、愛媛県や宮崎県、鹿児島県などの電子基準点で7cm以上の大きな「異常変動」が観測されている。
「『隆起・沈降』では、九州全体の大きな沈降が続いています。2024年8月に最大震度6弱の日向灘地震が起きたことで気象庁から『南海トラフ地震臨時情報(巨大地震注意)』が発表されましたが、まだエネルギーは放出されていないと考えられ、引き続き要注意です」
■首都圏警戒ゾーン
首都圏の「異常変動」は、伊豆諸島や伊豆半島に集中している。
「伊豆諸島を震源とする地震でも、過去には地盤の緩い都心のほうが大きく揺れたこともある。『隆起・沈降』では、千葉県中央部の沈降が拡大しています」
そのほかの「警戒ゾーン」で見られた地表の動きは上のMAPに記したが、能登半島には2024年元日の地震以降に新たな歪みが生じているという。
最後に、郭博士が注意を促す。
「警戒ゾーンとして挙げた地域は1月上旬頃までの間、いつ大地震が起きてもおかしくない。年末年始も警戒を緩めないようにしてください」
※週刊ポスト2025年1月3・10日号