冬晴れの下、新年一般参賀が2年ぶりに開催された。午前10時過ぎ、皇居・宮殿のベランダにはまず天皇皇后両陛下が、続いて上皇ご夫妻が姿を見せられた。昨年10月に右大腿骨を骨折し手術された美智子さまが手にされていたのは、杖ではなく扇子と手袋。上皇さまに寄り添い、穏やかな笑みを浮かべられていた。
「美智子さまは介助者をつけることなく、ご自身の足で力強く歩かれていました。大けが以来の“杖をつかずに一般参賀にお出ましされる”という目標を、見事に実現されたのです」(宮内庁関係者)
12月下旬には骨折前の日課だった上皇さまとの朝夕の散歩も再開された美智子さま。徐々に歩行のスピードも戻りつつあるというが、まだ全快とはいえないようだ。
「美智子さまは一般参賀の午前の部の計3回に参加されました。2回目までは杖なしでお出ましされましたが、3回目は左手に杖が握られていた。美智子さまは何度も注意深く足元を確認されながら歩かれ、上皇さまが美智子さまを気遣うしぐさをされた場面もありました。ご自身の体調管理に余念がない美智子さまですから、“転ばぬ先の杖”だったのかもしれません」(皇室記者)
宮内庁は、そんな美智子さまの気持ちに呼応するかのように、“快復のカギ”を握る、ある動きを見せた。4月1日付で、宮内庁病院に2名の看護師を追加採用することを決めたのだ。
「皇族のほか、宮内庁や皇宮警察の職員などが利用する宮内庁病院では、定期採用はしておらず、必要に応じて新たな人材を招き入れています。美智子さまのけがが記憶に新しいタイミングでの人員補充は、健康管理を万全なものにしたいという美智子さまのお気持ちを汲み取ってのことなのかもしれません」(前出・皇室記者)
美智子さまにとって宮内庁病院は3人のお子さまを出産された思い出深い場所だが、その記憶は幸せなものばかりではないという。
「美智子さまは1986年、宮内庁病院で子宮筋腫の手術を受けられました。退院して上皇さまと再会された際に、上皇さまの肩に顔をうずめて涙を流されたほど入院生活は心細いものだったといいます」(前出・皇室記者)
子宮筋腫の手術を受けた頃からはや40年ほどが経過し、美智子さまは昨年、卒寿を迎えられた。
「この数年で頸椎症性神経根症や白内障、乳がんなど、さまざまな疾患が美智子さまを襲いました。体の状態は満身創痍。周囲に『体中にいろいろな痛みがあるから、どれがどれかわからなくて……』と打ち明けたこともあったといいます。
今回のけがに関しては、スムーズな手術と懸命なリハビリが功を奏して、驚くほどの快復を見せました。しかし、美智子さまがご自身の体力の衰えを実感されたこともまた事実でしょう。今後同じようなことが起きてもおかしくないと覚悟されているでしょうし、そのときに再び心細い思いをしないで済むように、看護師募集という“緊急号令”をかけられたのかもしれません」(前出・皇室記者)
美智子さまの自信と不安が交差した一般参賀は無事に幕を下ろした。
※女性セブン2025年1月16・23日号